2012 Fiscal Year Annual Research Report
バナジウムー水素系における規則-不規則変態のクラスター変分法による解析
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22560662
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小野寺 秀博 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (20354144)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水素貯蔵合金 / V-H系 / オーダリング / クラスター変分法 / 体心正方晶 / 侵入型八面体サイト / bcc八面体近似 / 第三近接相互作用 |
Research Abstract |
BCC型水素貯蔵合金の基本系であるバナジウム(V)-水素(H)系について、材料設計、材料開発の基盤確立をめざして、水素のオーダリング現象についてクラスター変分法による解析を行った。bct構造のV中で水素はOzサイトを占有しており、β1→β2構造転移は、母相V原子に囲まれた、bct構造のOzサイトにおける、Hと空孔(Vacancy)の二元系の規則―不規則転移現象として解析することができる。体心正方晶に関するクラスター変分法の八面体近似による配置エントロピーの定式化を行い、V-H系におけるβ1→β2構造転移(規則-不規則変態)の解析を行った。これにより初めて第五近接まで(bccの第三近接に相当)の原子間相互作用の影響について検討することが可能となった。解析を行った結果、β1構造の安定性は第三近接(v3)及び第四近接相互作用(v4)によって支配されており、v3 およびv4 が負で大きな値となるほど安定化し、転移温度が上昇することがわかった。実験的にはβ1→β2構造転移は二次の相転移として報告されてきたが、本研究の結果、β1+β2の明確な2相領域が存在し、一次の相転移であることがわかった。しかし、2相領域の組成幅は400 Kで0.26 at%と極めて狭く、また、自由エネルギーや長範囲規則度の温度変化からも、この相転移は極めて二次に近いことがわかった。実験状態図を最もよく再現できる値として、v3=1.0, v4=0.64 kJ/molが得られた。このとき、β1→β2相転移のエントロピー変化は0.465 R(Rは気体常数、室温から転移温度までの変化)となり、室温から転移温度までの熱分析に基づいて報告値されている0.31R~0.43 R とよい一致が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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