2012 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的負の熱膨張物質の探索とその特性の顕在化に関する研究
Project/Area Number |
22560665
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山村 泰久 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80303337)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 負の熱膨張 / 熱膨張 / フレームワーク構造 |
Research Abstract |
材料の高度な熱膨張率制御を目的に,熱収縮をする「負の熱膨張材料」の研究が国内外で進められている.しかし,広い温度範囲で負の熱膨張特性を示す物質は限られ,実用化が進んでいないのが現状である.実用化を促すために,新たな負の熱膨張材料の創出が求められている. 本研究では,負の熱膨張物質の物質設計に関する研究代表者の提唱に基づき,新たな「負の熱膨張材料」の創出を目指し,系統的な負の熱膨張物質および潜在的負の熱膨張物質の物性を検討することにより,負の熱膨張の発現および維持の鍵となるものを探索することを行った. 陽イオンによる置換が可能で,フレームワーク構造を有する負の熱膨張物質の一つであるA2B3O12型化合物を母体とし,陽イオンを置換することにより固溶体を作成した.その熱膨張特性および熱容量測定を行った.熱容量測定の結果を基に相図の作成を行い,負の熱膨張を発現する相と正の熱膨張を発現する相の安定性や構造的特徴に対する置換陽イオンの効果を明らかにした.また,負の熱膨張を示しフレームワーク構造を持つZrW2O8への三価陽イオン置換効果についての検討を行った.三価陽イオン置換により生成する高温相由来の構造を有するナノ領域の観察に成功しただけでなく,このナノ領域が三価陽イオン置換をしなくてもZrW2O8にもともと存在することを明らかにした.これは従来進められてきた負の熱膨張発現機構の研究にも影響を与える研究結果であり,今後の進展が期待できる研究成果といえる.また,フレームワーク構造を有する負の熱膨張物質の結晶構造の詳細を検討し,局所的な構造と負の熱膨張の発現との相関についての知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)