2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560667
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90161702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 貴弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50324182)
米崎 功記 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (20377592)
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Keywords | 金属石鹸 / 水熱反応 / 金属酸化物微粒子 / グラファイト / 複合材料 / ナノ粒子 / 機能性材料 / 粒子形態制御 |
Research Abstract |
金属石鹸は長鎖脂肪酸の金属塩の総称であり、滑沢剤や離型剤などに応用されているが、金属石鹸を出発物質にした機能性金属酸化物の合成への応用はこれまでほとんど試みられていない。そこで、本研究では鉄およびコバルトを中心にして金属石鹸を出発物質に用いた水熱反応により新しい機能性材料の合成を試みている。 鉄ナフテンを水熱反応の原料としたところ中空粒子の鉄酸化物(マグネタイト)を合成することを報告し、さらに水熱条件の中でも水相と油相との割合が中空状粒子の生成には重要な条件であることを明らかにした。また、その磁気的特性についても調査した。 コバルトナフテンを用いた水熱反応ではナノシート状の水酸化コバルトが生成し、さらにこのナノシート状の水酸化コバルトを酢酸水溶液を用いて水熱処理することで、リング状のスピネル型酸化コバルトが生成することも見出した。昨年度は水酸化コバルトから八面体の形状を持つCoOへの変換が可能であることを見出した。また、ナノシート状の水酸化コバルトを出発物質として水酸化リチウム水溶液で水熱処理することで、板状のLiCoO_2を生成することができた。 金属石鹸とフェノールあるいはフルフリルアルコールを混合し、不活性雰囲気下で加熱することで、金属-グラファイト複合体の合成に成功し、その吸着特性等について明らかにした。 上記の結果を基に金属石鹸を用いた水熱反応によってステンレス板上への金属酸化物の薄膜の作製を試みたが、現時点においては成功していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鉄およびコバルトナフテンを用いた水熱反応では様々な形態を持つ微粒子を合成することができたが、その電気的特性など一部の物性を明らかにすることができていない。また、薄膜化を試みているが、それについても未だ成功していないので最終年度には成功させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
磁気特性については微粒子でも測定が可能であるが、LiCoO_2などのように電池の二次電池の電極材料などへの応用を考えるとその電気特性を明らかにする必要がある、その評価のためには薄膜試料を作製することが、応用展開を考えても有利であることから、薄膜形成条件の確立に全力を注ぐ予定である。薄膜形成には基板の選択が重要であると考えられ、その点を考慮して研究を進める。
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Research Products
(5 results)