2012 Fiscal Year Annual Research Report
紫外レーザーを用いたホウケイ酸塩ガラスの光誘起高密度化の評価と塑性変形挙動
Project/Area Number |
22560669
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
吉田 智 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (20275168)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ホウケイ酸塩ガラス / 高密度化 / 紫外レーザー / 塑性変形 |
Research Abstract |
研究最終年度であるH24年度は,ホウケイ酸塩ガラスファイバーへの深紫外レーザー照射効果の評価を主たる目的とした。ファイバーという形状を生かして,U字曲げ試験により高応力をガラスに負荷し,負荷応力が紫外線照射効果に与える影響を評価した。本研究では,外因性の傷を有しないガラスファイバーを試料として用いることで,室温において1 GPaを超える応力負荷に成功し,応力を負荷した状態で紫外線照射を行うことができた。その結果,次の成果が得られた。 ・ホウケイ酸塩ガラスファイバーに深紫外レーザーを照射すると,バルクガラスと同様にラマンスペクトルが変化することが分かった。このスペクトル変化は,ダイヤモンド圧子を用いた押し込み変形部位のそれと類似していた。さらに,種々の永久高密度化ガラスのラマンスペクトル測定により,紫外レーザー照射によるラマンスペクトルの変化が密度上昇によるものであることを明らかにし,残留する永久変形を実験的に測定する手法を確立した。 ・1 GPa程度の高応力を負荷した状態で深紫外レーザーを照射すると,引張応力負荷部で除荷後密度低下を示唆する構造変化が認められることが明らかとなった。 特に後者の研究成果は,GPa級の高応力の負荷と紫外線照射という2つの外場の効果により,室温でガラスの引張変形を凍結させた初めての例と言える。しかし,実験結果の定性的な再現性は認められるものの,ラマンスペクトルの変化には実験条件や測定箇所依存性があり,定量的な議論を行うには至らなかった。また,この現象が認められたガラスは,商業用の多成分ガラスであるため,現象の化学的原因を考察することは困難であった。現在,永久構造変形の原子レベルでの要因を考察すべく単純組成ガラスを用いた研究を継続して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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