2011 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体セラミックスを利用した環境の温度変動からのエナジーハーベスト
Project/Area Number |
22560671
|
Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
眞岩 宏司 湘南工科大学, 工学部, 教授 (50229283)
|
Keywords | エナジーハーベスティング / 強誘電体 / 焦電効果 / PZT / PVDF / 電気熱量効果 |
Research Abstract |
本研究では、焦電効果を利用したエナジーハーベスティングについて検討を行った。ヒーター加熱と水冷による温度可変試料台を設置し、温度変化に伴う焦電効果たよる出力電圧の測定系を構築した。これにより、PZTやBaTiO_3などのセラミックスや圧電高分子PVDFの焦電出力特性を測定した。リラクサー成分の添加によりキュリー点を145℃までに下げたPZT系セラミックスで温度変化5K/sにおいて、発生電力と発生電力面密度で4.4μW and 1.4μW/cm^2の発電特性を有することを見出した。この結果は従来測定結果として報告されているものと比べて優れている。また、非線型の焦電効果を利用した熱エネルギーのハーベスティングについても検討を行った。温度を変化時の強誘電体試料の分極特性の測定系を構築した。低温での電界印加と高温での電界除去により、強誘電体中に蓄えられる電気エネルギーの測定を行った。キュリー点300℃のPZT系セラミックスで25から145℃の温度変化、印加電界30kV/cmにおいて、40J/L/cycleのエネルギーが取り出せることを見出した。これについては、その他の報告に比べて、現状、それほど大きなものとはいえないが、測定条件、試料の特性向上などにより、さらに取り出せるエネルギーの向上は見込める。また、焦電効果と密接な関係があるPZTセラミックスやPVDFの電気熱量効果についても検討を行った。さらに、スパークプラズマ焼結法によるBa(Zr,Ti)O_3セラミックスの特性向上にも取り組み、通常焼結より優れた圧電特性を有するセラミックスの作製に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、計画通りに進展している。測定系はほぼ整備されたので、今後、データ取得とその解析を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ取得とその解析を進めるともに積極的に成果を公表し、その中で議論を深めていく。測定条件はあまり標準化されていないが、他の研究機関とも協議を進め、できるだけ共有性の高いデータ公表に努める。特性の優れていないため、エナジーハーベスティングの特性が優れない試料は他の研究機関との共同により、高品質の試料を使用するようにする。
|