2012 Fiscal Year Annual Research Report
パルス通電焼結における高速焼結機構の解明と高度化に向けた技術構築
Project/Area Number |
22560675
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森田 孝治 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (20354186)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | パルス通電焼結(PCS) / 酸化物セラミックス / 焼結機構 / パルス効果 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究は、酸化物セラミックスのスピネルMgAl2O4をモデル材に用い、パルス通電焼結(Pulsed-Current-Sintering : PCS)法について、焼結に関して発現機構の解明とその基礎知見の取得を目的に実施した。 【結果・知見】同じ焼結条件においてHPとPCS法におけるスピネルの焼結挙動および緻密化(透光性)を比較・検討した。その結果、HPとPCS法いずれの場合もほぼ同じ焼結挙動、透光性に加え、同様の焼結組織が得られることが確認された。このことから、スピネルのような絶縁体の場合は、パルス通電の効果は皆無に等しく、既存のHP焼結と大差が無いと結論できる。また、ラマンおよびFT-IR等の分光法を用いて焼結後の材料中のC量の評価を行った結果、HPとPCS法のいずれにおいてもわずかに残留Cの存在が確認できた。ただし、PCS法の場合、残留C量は昇温速度、焼結温度、保持時間および過重負荷条件等のパルス通電焼結条件に依存して変化することを見出した。特に、昇温速度と焼結温度に対しては極めて敏感で、高速昇温および高温焼結になる程、明瞭な残留Cの存在が確認できた。これは、PCS 法では、パルス通電を用いてグラファイトモールドを直接加熱するため、高速昇温あるいは高温焼結の際にモールドより微量なC の飛散が発生し、焼結途中の気孔を通じて材料内部まで汚染されるためと考えられる。また、これを高温で熱処理を行うと、ラマンによる残留Cのシグナルは徐々に減少し、COあるいはCO2に起因したシグナルが見出された。また、熱処理に伴い材料中には欠陥(気孔)が新たに形成され、緻密化(透光性)が低下することから、残留Cが材料中の酸素と反応しCO/CO2ガスを形成するためであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)