2010 Fiscal Year Annual Research Report
浸透法によるカーボンナノファイバー強化アルミ基複合材料の製造法に関する研究
Project/Area Number |
22560685
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
増田 千利 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20350407)
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Keywords | 材料工学 / 複合材料・物性 / 分散強化 / 界面組織 / 濡れ性 / コーティング / ナノファイバー / アルミニュウム |
Research Abstract |
本年度はカーボンナノファイバー(CNF)の表面に金属アルミを化学蒸着法(CVD)によりコーティングする方法について検討した。まずガラス管にCNF、Al,Iを一定の割合で入れて真空封入し、400、500、600℃各温度において、48時間加熱保持した後、開封して洗浄後、残留アルミとヨウ素を除去するとともに、CNF表面の分析を行い、金属アルミのコーティングの有無について調べた。その結果、CNF表面には薄く金属アルミがコーティングされていることが明らかとなった。アルミ以外には600℃保持の場合には酸素が認められた。しかし500℃保持名場合には酸素は非常に少なくなっていた。透過電子顕微鏡(TEM)による観察結果、CNF表面の原子配向像とは異なる原子配向が観察され、画像処理した後の原子間隔から、金属アルミとわかった。600℃保持の場合には、CNF表面近傍ではアルミが、その外側に行くにつれて、酸素の存在が観察された。これからアルミの酸化物が形成されている可能性が示唆された。500℃保持の場合には酸素の存在が少なかった。このほか600℃では珪素が検出されたが、これはガラス管の成分であるSiO2が分離して、CNF表面にコーティングされたのではないかと考えられたが、ガラス管を石英に変えて更に検討を進めるための準備をしている。 金属アルミのコーティング条件が明らかになったので、アルミとコーティングCNFとの高温における濡れ性の検討を行うために、次年度は濡れ性の測定装置を有する大阪大学接合研究所と共同研究を行う予定である。さらに解けたアルミ溶湯中にコーティングCNFを投入するための加熱炉の準備を行う。なお押し出し装置は試作して、予備実験を行っているところである。 得られた結果を論文投稿中である。2報目もまとめて投稿の準備を進めている。
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