2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560686
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
横山 隆 岡山理科大学, 工学部, 教授 (60093944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 賢治 岡山理科大学, 工学部, 講師 (70388924)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 複合材料物性 / 衝撃層間せん断強度 / 衝撃層間破壊じん性 / ホプキンソン棒法 / ひずみ速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複合材構造物の安全設計に不可欠な複合材の衝撃破壊特性、即ち連続体力学に基づく衝撃層間せん断強度および破壊力学に基づくモードII衝撃層間破壊じん性を評価する2つの試験法を、ホプキンソン棒法に基づいて高精度化することである。複合材としては、最も重要な一方向強化カーボン/エポキシ複合材(T700/2521)を使用する。 前者では平成24年度に前述の複合材のせん断強度が精密に測定できる修正イオシペスクせん断試験片を開発し、インストロン試験機による静的圧縮せん断試験とホプキンソン棒法による衝撃圧縮せん試験を実施して、せん断変形速度(せん断ひずみ速度に相当)が層間せん断強度に及ぼす影響を精密に評価した。衝撃試験では、試験片がせん断破壊を生じる荷重が小さいため、ホプキンソン棒の材質を弾性係数の低いマグネ合金AZ80Aを使用することで、せん断破壊荷重を精度よく測定できることができた。 その結果,層間せん断強度は,変形速度が上昇するにつれて約1.5 m/s以下の範囲では増加することがわかった.本研究成果は、「応力ーひずみ測定と強度評価シンポジウム」(日本非破壊検査協会主催:平成25年1月)で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複合材の衝撃破壊特性、とくに一方向強化カーボン/エポキシ複合材の衝撃層間せん断強度の測定では、開発した修正イオシぺスク試験片の圧縮せん断破壊荷重が低いため、アルミ合金製(2024-T4)のホプキンソン棒法では、測定されるひずみパルス波形のS/Nが予想よりも小さく精度が悪く、精密な測定が困難となった。そのため、使用しているホプキンソン棒法で使用する棒を、新たに弾性率がアルミ合金(70GPa)よりも低いマグネ合金(45GPa)と交換した。これによって衝撃せん断強度の測定が改善された。この問題により、次の研究段階への進展が、当初の予定より遅れをきたすこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに修正イオシペスクせん断(MISS)試験片を使用して、衝撃層間せん断強度を測定し、静的な層間せん断強度と比較することによりひずみ速度依存性を調査した。今年度は、モードII衝撃層間破壊じん性を測定するために次のような試験手順で研究を進める予定である。 1. 一方向強化カーボン/エポキシ複合材から、ENF(端面切欠き曲げ)試験片を機械加工により製作(外注)する。 2. ホプキンソン棒法によりENF試験片の横衝撃荷重-たわみ関係を決定して、破壊開始時刻tcにおける最大荷重から静的ひずみエネルギ解放率 GIIの評価式により、モードII衝撃層間破壊じん性を決定する。tcは、ENF試験片の裏面に貼付したひずみゲージ出力のピーク値より決定する。 3. この評価法の妥当性を、ホプキンソン棒により測定される横衝撃荷重P(t)を入力条件として、Crack Closure法に基づく動的有限要素法により計算した動的ひずみエネルギ解放率の限界値 GII(t=tc)と比較して立証する。 4. ENF試験片のせん断破面の走査型電子顕微鏡(SEM)による微視的観察により、ひずみ速度(γ≒100/s)が破壊モードに及ぼす影響を調べ、評価したモードII層間破壊じん性の妥当性を考察する。
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Research Products
(2 results)