2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560690
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤居 俊之 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40251665)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾中 晋 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40194576)
加藤 雅治 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50161120)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 電気・電子材料 / 金属疲労 / 材料組織 / 銅合金 / 導電性材料 / 転位 |
Research Abstract |
単一すべり方位を有するCu-Ni-Si合金単結晶をブッリジマン法にて育成し,溶体化処理の後,773Kで時効を行い,Ni2Si粒子を析出させた.室温にて塑性ひずみ振幅制御の疲労試験を行った.試料破断前に試験を終了し,透過型電子顕微鏡を用いて,主すべり面がedge-onになる条件で観察を行った.疲労試験により繰り返し軟化が生じた試料には,固執すべり帯(PSB)が主すべり面に平行に形成されており,そのPSB内部では,時効により析出していたNi2Si粒子が消失していた.さらに,PSBと母相の境界には,PSB内から排出された固溶原子の再析出現象が観察された.PSBの幅は塑性ひずみ振幅が大きくなるにつれて小さくなった.また,PSBの体積率は塑性ひずみ振幅に依存せず,ほぼ一定の値となった.このことは,単位体積あたりのPSBが担う塑性ひずみは,塑性ひずみ振幅が大きいほど大きくなることを意味し,純金属の疲労挙動と大きく異なることがわかった.PSBの幅がある一定値に収束することを以下のように定量的に検討した.1.繰り返し変形が進行する過程で塑性不均一が生じ,局所的に析出粒子がせん断され,粒子が母相に再固溶するとともに,溶質原子がPSB外へと排出される.2.溶質原子はPSB外へ拡散するものの,母相内で溶質原子が十分高くなった時点で,粒子の再析出が起きる.3.粒子の再固溶と再析出がバランスした時点でPSBの発達は止まる.以上のように考えると,繰り返し変形進行に伴ってPSBの幅が一定値に至ることが理解できる.本研究成果は,析出粒子分散型合金の疲労強度向上に対する基礎的知見を与えるものである.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|