2012 Fiscal Year Annual Research Report
自発的ナノスケール相分離とそれを利用した低次元ナノ構造体の創製
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22560696
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00264086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 低次元構造 / 相分離 / 規則化 / 透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
GaInP薄膜のエピタキシャル時に自発的に形成される成長方向に沿った濃度変調(vertical composition modulation: VCM)の構造を、回折結晶学的手法により解析した。X線ロッキングカーブおよび逆格子空間マッピングの結果、メインピークの周り、4nmおよび5nmに対応する衛星反射が出現した。透過電子顕微鏡観察の結果、この2種類の変調構造は同じ場所に存在することが確認された。エピタキシャル成長薄膜におけるVCM構造は、II-VI族、III-V族等で報告されており、その変調周期は<10nmと>10nmの2種類に大別される。いずれの場合も2種類の異なる組成の層が交互に重なったものである。一方、我々の試料においては2種類の変調周期が共存しており、より複雑なVCM構造が形成されていることが明らかとなった。VCMの形成には表面ステップが重要な役割を演じていることが提案されているが、凹凸のある基板でも同様な変調構造が観察され、今回のVCM構造は表面ステップにより形成されたものでないことが明らかとなった。チャンバー内で供給される分子濃度の不均一性が、VCM構造を誘起する可能性がある。今回の成長速度(0.3nm/s)および基板の回転速度(3.5rpm)から予測される変調周期は約5nmであり、一方の衛星反射から求めた周期(4nm)とほぼ一致する。一方、長い周期(25nm)の起源は明らかでなく、歪み場等、他の要因について今後検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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