2010 Fiscal Year Annual Research Report
遮熱コーティングシステムの微視的様相に着目したクリープ及び疲労損傷機構の解明
Project/Area Number |
22560703
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 智 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80260785)
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Keywords | 遮熱コーティング / 高温材料 / 損傷解析 / 溶射 / その場観察 |
Research Abstract |
ガスタービン高温部材である動翼部に遮熱コーティング(TBC)を適用する場合,部位によって熱機械的負荷モードが異なるため,信頼性と耐久性に優れた高性能のTBCシステムの設計・開発には,機械的負荷条件下におけるTBCシステムの損傷劣化メカニズムを解明することが不可欠である.本研究では,先行研究で開発した機械的損傷挙動その場観察装置を改良し、熱機械的負荷条件下におけるき裂発生・進展挙動をコーティング微構造と関連づけて究明するために、次の内容に取組んだ。 (1)TBCシステム損傷挙動その場観察装置の改良 赤外線イメージ炉内で試験中の試験片のコーティング組織を詳細に観察するために,作動距離が長くてズーム機能を有する顕微鏡観察装置を購入し,取り付けジグ等を設計・開発して現有のその場観察装置に組み込み,装置の高性能化を図った.さらに高温試験中に金属ボンドコート層や基材の酸化を遅延させるためにターボポンプによる炉内真空排気を取り入れた.その結果,顕微鏡装置のマルチフォーカス機能等によって焦点深度の深い観察が可能となり,トップコートだけでなく,ボンドコートや基材内部へのき裂進展挙動を明瞭に観察できるようになった.この装置を用いた予備試験として実施した多結晶基材のTBCシステムの損傷挙動その場観察結果と先行研究結果を合わせて論文としてまとめることができた (2)TBCシステム試験片の作製 基材合金として単結晶Ni基超合金CMSX-4を入手したが,結晶方位解析と機械加工に予想以上に時間を要してしまい,その場観察実験を実施することができなかった.次年度以降,コーティングの組成・組織だけでなく,単結晶基材の結晶方位の影響も含めてTBCシステムの損傷挙動の解明を本格的に実施する
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