Research Abstract |
本年度実施した【ポーラスアルミニウムのFSPを利用した作製法の開発】では,FSPの(1)ツールの回転数、(2)ツール送り速度,(3)パス数,(4)発泡剤量,(5)アルミナ添加量,発泡させる際の(6)保持温度,(7)保持時間を系統的に変化させて,高気孔率で気孔サイズが均一かつ気孔が均一に分布したホーラスアルミニウムを作製するための最適条件の導出を試みた.また,これと並行して,マイクロフォーカスX線CTで撮像した三次元画像をもとにボーラスアルミニウムの(1)相当円直径,(2)円形度等の気孔形態パラメータの評価システムを開発した.その結果,A1050アルミニウム,A6061アルミニウム合金,ADC12アルミニウム合金ダイカストの最適条件を設定できた.例えばA1050では,発泡剤量:攪拌領域の1mass%,アルミナ添加量:5mass%,ツール回転数:2200rpm,ツール送り速度:100mm/min,ツール走査一列あたり4パスのマルチパス,保持温度1003K,保持時間10分の条件下で気孔率70~80%,相当円直径2.8~3mmのホーラスアルミニウムを作製できた.さらに,一部静的圧縮試験用のポーラスアルミニウムを試作し,X線CT装置を用いて圧縮荷重の増加にともなうポーラスアルミニウムの変形状態を撮像する試験を実施した. 【薄膜センサの作製と発振回路法の高精度化】では,発振回路法のセンサ出力に温度/周波数依存性があるため,今年度は周波数の補償回路を設計し,その補償回路を組み込んだ測定回路を作製した.さらに,ひずみ計測を対象としてセンサ出力の周波数に対する特性評価試験を実施した.その結果,回路からのセンサ出力の安定性に問題が発生したため回路を改良し,発振回路法における差分計測回路を検討した.その結果,大気環境下における安定性が向上したことを確認した.薄膜センサに関しては,圧縮試験を想定し,使用する二つの材料の選定を行った.
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