2012 Fiscal Year Annual Research Report
積層した異種フェロイック材料の積層界面の評価と機能複合化素子の開発
Project/Area Number |
22560707
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸 陽一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70265370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池永 訓昭 金沢工業大学, ものづくり研究所, 講師 (30512371)
矢島 善次郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60148145)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | インテリジェント材料 / 非平衡相薄膜材料 / 形状記憶合金 / 相変態 |
Research Abstract |
開発したスパッタリング・イオン照射複合プロセスによって,高分子基板(ポリイミド箔)上にTiNi形状記憶合金薄膜を付与した.一般的なスパッタリング法でSi基板上に成膜しその後の結晶化熱処理によって得たTiNi形状記憶合金薄膜の場合は,B19’相,R相及びB2相が混合しており,X線回折法で得た極図形によって無配向であることが確認できた.複合プロセスで得た薄膜の場合は,イオン照射による格子欠陥の導入などが原因でブロードな回折ピークとなり,そのため,配向性評価はできなかった.ポリイミド箔上に薄膜を付与しカンチレバー状に加工した素子に矩形波の電圧を印加して動作させ,それを赤外線カメラ及びCCDカメラを用いて評価した.本実験の範囲では,機能劣化することなく繰り返し形状回復動作することを確認した.これと並行して,高分子圧電材料を再現性良く作製するためにプロセスの最適化に取り組んだ.このプロセスではP(VDF/TrFE)粉末の酢酸ジエチルへの溶解,スピンコートでの薄膜化,プリベークによる薄膜固定化,アニール処理による結晶化,分極処理による分極,の行程を経なければいけない.プリベーク条件及びアニール処理条件を最適化し,圧電特性に優れるI型結晶が優先的に,かつ,高い再現性で得ることが可能となった.高分子圧電材料上にTiNi形状記憶合金薄膜を付与し,形状回復動作の繰り返し特性,機能複合化の安定的な発現などの評価を試みたが,高分子圧電材料の作製プロセスの最適化に相当な時間を要したために時間的な制約が発生し,十分に評価することができなかった.しかしながら,本課題の一環としてセラミックス圧電材料と強磁性形状記憶合金薄膜の機能複合化に取り組んだところ,電気磁気効果を高い再現性で発現させることができたので,高分子圧電材料と形状記憶合金薄膜の機能複合化も実現できるものと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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