2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射線環境下で動作するガスクロミック水素センサーの開発
Project/Area Number |
22560710
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山本 春也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70354941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (40354948)
杉本 雅樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90354943)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水素センサー / 放射線 / ガンマ線 / 電子線 |
Research Abstract |
放射線環境下で動作する光学式水素センサーの開発を目的に、水素の吸蔵により可視光域の吸光度が変化する三酸化タングステン(WO3)などの水素ガスクロミック層と水素分子を解離させる白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの触媒層とを組み合わせた水素検知素子をスパッタリング法により作製し、放射線照射(ガンマ線、電子線)による水素ガスクロミック特性への影響を系統的に調べ、水素検知素子を構成する最適な材料の選定を進めた。平成24年度は、Pd及びPtを担持したWO3膜(Pd/WO3膜、Pt/WO3膜)に対して、空気中でガンマ線照射(コバルト60線源、積算線量:最大26.8 MGy)を行い、それらの水素検知(濃度1%水素)への影響を調べた。その結果、積算線量:3.7 MGy 照射後のPd/WO3膜では、ガンマ線照射によりPd層がPd酸化物を形成したため、水素検知ができない状態となった。一方、Pt/WO3膜では、ガンマ線照射によるPt表層の酸化に起因して、水素よる吸光度変化の応答の遅れを示したが、積算線量:26.8 MGyの照射後でも水素検知ができることを確認した。また、光学式水素センサーを模擬したその場測定セルを作製し、水素検知素子にPt/WO3膜を用いてガンマ線照射下における水素検知実験を実施した。その結果、ガンマ線照射下(7.8 kGy/h)で水素検知ができることを確認した。さらに、Pt/WO3膜に対して空気中で加速エネルギー:2 MeVの電子線照射(電子線加速器、積算線量:最大15 MGy)を行い、その影響を調べたが、水素検知の性能劣化は確認できなかった。以上の結果から、水素検知素子としてPt/WO3膜を用いることによりガンマ線環境下で動作する光学式水素センサーの開発ができることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)