2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560711
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
世利 修美 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60179356)
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Keywords | アルコキシド / ゾルゲル法 / 腐食合成法 |
Research Abstract |
申請時に計画していた実験内容はほぼ遂行できた.得られた結果は2つあり,複合アルコキシドとしてのムライトとMgTiO_3が得られた.具体的には,四塩化ケイ素を含んだメタノール中でアルミニウムを加熱還流するとアルミニウムは腐食し,溶解した.この溶液中の腐食生成物を加水分解した.アンモニア水を少量滴下しpH7位にすると白色沈殿物が得られた.得られた沈殿物を透析,乾燥後,1473Kで32.4ks間焼成するとムライトが得られた.ムライトの確認はX線回折で行った.また,同じように四塩化チタンを含んだメタノール溶液中にMgを投入し,約333Kで加熱還流を行うとMgは溶解した.その溶液を加水分解し,アンモニア水でpH10に調整し水酸化物系の腐食生成物を得た.乾燥粉末にした後,焼成温度923K~1523K,焼成時間7.2ks(2時間)で焼成するとMgTiO_3複酸化物が得られた.申請時に本法の特色として下記を予想した. (1)腐食・防食技術の応用であり定量的な解析と処理が可能である. 自然に起こる腐食反応(酸化・還元反応)を積極的に利用するため効率的である.このため簡単な装置で,しかも短い時間内で生成可能である. (2)新組成の材料創製が期待できる. 腐食反応に置換反応を組み合わせれば多種多様な成分を持ったアルミニウムアルコキシドを得ることができる.初期の溶液状態で混合するため,均一組成を持った各種複合アルコキシドを得ることが可能である. (3)得られるアルミニウムアルコキシドの純度は高いことが予想される. 添加元素が少ないため不純物の混入は少ない.また作製後,不要な添加元素は加熱あるいは蒸留等の操作によって系外への排出が可能である. (1)と(2)はほぼ予想通りであったが,(3)に関してはNMR分析費が高く行われなかった.
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Research Products
(2 results)