2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560712
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 みどり 北見工業大学, 工学部, 教授 (70261401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 良夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20261399)
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Keywords | 銀薄膜 / 安定性 / 表界面層 / 密着性 / 電気抵抗率 |
Research Abstract |
1. 銀薄膜の安定化を目的とした、極薄表界面層物質の探索を行った。既に有効性を確認済みである、極薄Al層積層結果を基に、同じく酸化物形成エネルギーが大きい等の類似点があるTiに着目し、表面、界面、及びその両方を積層した銀薄膜構造の作製し、その安定性を調査した。また、比較のため、スパッタリング法でTi添加Ag薄膜を作製し、その安定性を調査した。その結果、表面、界面の両方にTi層を導入した構造が最も安定で、且つ、電気抵抗率も比較的低い値を維持することができた。各層の厚さについても最適化を行った。 Ti添加Ag薄膜と比較した結果、抵抗率は積層構造の試料の方がより低く抑えられることが判明し、本法の優越性が確認できた。 2. 薄膜構造安定化に効果がある構造における、界面密着性について、超薄膜スクラッチ試験機を用いて、調査した。界面に極薄Ti層を導入した銀薄膜(厚さ60nm)は、導入していない試料に比べて、臨界剥離荷重値が4倍も増大するという結果が得られた。この事から、銀とSiO2基板との間に界面層を挿入することによる密着性の向上は、膜構造の安定化(凝集抑制効果)に大きく寄与するものとの知見が得られた。 現在、継続して他の物質を界面層に導入した場合の影響を検討中である。
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Research Products
(3 results)