2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ複合めっきの共析メカニズムの解明
Project/Area Number |
22560715
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
新井 進 信州大学, 工学部, 教授 (20313835)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 複合めっき / 共析メカニズム / 共析量 / Guglielmi理論 / 繊維状形状 / 銅 |
Research Abstract |
本研究はカーボンナノチューブ(CNT)複合めっきにおけるCNTの共析挙動を明らかにし,CNTの共析量制御を可能にすることを目的としている。平成24年度はCu/CNT複合めっきをモデルケースとして扱い,①複合めっき膜中のCNTの含有量とCNT複合めっき浴中のCNT濃度の関係および②複合めっき膜中のCNTの含有量に与えるCNT形状(繊維状形状)の影響を検討した。 めっき浴中のCNT濃度を変化させて電析を行い,銅めっき膜中に取込まれたCNTを定量した結果,めっき浴中のCNT濃度の増大に伴いめっき膜中のCNTの含有量も増大する傾向が確認された。複合めっきにおいてめっき浴中の粒子濃度とめっき膜中に取込まれる粒子含有量の関係について提案されているGuglielmi理論(二段階吸着理論)により本実験結果を検証した結果,めっき浴中のCNT濃度が低い場合にはGuglielmiの理論を支持する結果となったがCNT濃度が高い場合,Guglielmi理論よりも多くのCNTが共析することが分かった。これはCNT複合めっきではCNTが繊維状形状であるため,めっき膜に取込まれたCNTにめっき浴中のCNTが物理的に絡まり,より多くのCNTが共析したものと推測した。CNTの繊維状形状が複合めっき膜中のCNT含有量に与える影響について検証するために,粒状形状炭素材料であるカーボンブラック(CB)を用いて複合めっきを行いCNT複合めっきとの比較を行った。その結果,めっき浴中の濃度が同じ場合,CNT複合めっきの方がCB複合めっきよりも多くの粒子(CNT)が取り込まれることが判明した。このことからCNT複合めっきではGuglielmiの提唱する二段階吸着過程に加えて,繊維状形状に起因して,より多くのCNTが取込まれることが示唆された。 これらの成果をまとめてJ. Electrochem. Soc.に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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