2012 Fiscal Year Annual Research Report
コールドスプレー金属皮膜の密着力向上とセラミック基材への金属厚膜の形成
Project/Area Number |
22560716
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
榊 和彦 信州大学, 工学部, 准教授 (10252066)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 溶射 / コールドスプレー / コーティング / 密着力 / 超音波援用後処理 / スプレー角度 |
Research Abstract |
新しいコーティング技術であるコールドスプレー(Cold Spray、以下CS法という)は優れた皮膜特性も持つが、実用化は限定的な部分に止まっている。このため、CS法をより実用的なコーティング技術にするため、皮膜の密着力および特性の改善を行った。得られた主な成果は以下である。 (1)超音波支援による後処理として皮膜表面の緻密化:超音波支援は、塑性加工の分野で研究は行われはじめているが、溶射を含め皮膜性能の向上の取組は国内外での報告がなく、期待される技術である。成膜時のノズル-基材間の衝撃波の緩和による付着率と密着力の向上に効果を得られなかった。しかし、後処理として超音波ホーンによる超音波加工は、装置を試作し、金属皮膜の表面の平滑化、緻密化ができ、表面付近ではナノ結晶組織が形成され、皮膜特性の改善ができた。 (2)スプレー角度の鋭角化による粒子滑動付与による密着力向上:鏡面仕上げした黄銅、軟鋼、合金鋼、窒化ケイ素、アルミナの基材に、AlとCuの皮膜について、スプレー角度を90°から60°に鋭角化すると、皮膜の密着力はいずれも向上した。ソーダガラス基材上のアルミニウム皮膜は、ガラス基材内から破壊し、スプレー角度の影響は確認できなかった。なお、Al皮膜-ガラス基材間の密着力は20MPa以上で、ガラスの基材層から破断した。 (3)化学的な親和力に関する研究:CS法によるガラス基板上Al皮膜の密着力の特異性は、SEMやTEMによるAl単粒子と基材界面の観察から、ガラスとアルミニウム界面に凹凸を形成せず、滑らかなその界面に約100nmのアモルファス状のO、Al、Siなどからなる反応層が生成し、界面に生じる引張応力などにより比較的密度が小さかった。さらに、この反応層の厚さは、粒子の大きさに依存した。界面から僅かにガラス基材の一部が噴出していることが確認で、密着力が高い一因と予想された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)