2011 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロニクス実装はんだ継手微細化に伴う接合界面挙動評価と高信頼性界面の創出
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22560721
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 宏 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (90346180)
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Keywords | はんだ付け / 微細化 / 耐衝撃性 / 高信頼性 / 界面反応層 |
Research Abstract |
はんだバンプサイズと無電解Ni-P/フラッシュAuめっきしたパッドサイズを変化させ、はんだバンプの微細化が接合部に与える影響を基礎的に評価した。具体的には、はんだサイズ3種類(直径0.25,0.50,1.00mm)、無電解Ni-P/フラッシュAuめっきパッドサイズ3種類(直径0.20,0.40,0.80mm)で変化させ、特に接合部の接合強度(耐衝撃性)について評価をおこなった。いずれの場合にも、はんだ付け時の加熱プロファイルは一定とし、最高温度を250℃とした。また150℃のオイルバス中で時効処理をおこない、長期信頼性に与える影響を評価した。耐衝撃性の評価については、振り子式の衝撃試験機を使用し、接合部破壊の際の最大応力、単位面積あたりの全エネルギーについて評価した。 その結果、得られた最大応力や全エネルギーについて明らかな差がみられ、はんだバンプサイズの影響があることがわかった。最大応力の場合には、直径1.00mmで他の2つと比べてはんだ付け直後から低い値となっており、時効処理後も他の2つより低いままであった。また全エネルギーの場合には、はんだ付け直後はサイズの違いはみられなかったが、時効処理後には直径0.25mmの場合のみ、はんだ付直後よりも高い値を示し、他の2つとは異なった傾向を示した。今後、界面反応層との関係などを検討することで、これらの原因を検討するとともに、信頼性の高い界面について明確にする。昨年度おこなったCuパッドを用いた場合と比較すると、最大応力については直径1.00mmの場合に低い値を示すという同様の傾向が見られたが、全エネルギーについては異なった傾向を示しており、この違いについても今後、検討する。 一方、信頼性の高い界面を検討することを目的として、熱源としてレーザを用いたはんだ付けを行い、界面反応層が非常に薄い接合部の評価をおこなった。その結果、接合部の界面反応層が非常に薄い場合には、破壊の際の最大応力も高くなり、信頼性の高い界面になることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
はんだバンプサイズと無電解Ni-P/フラッシュAuめっきしたパッドサイズを変化させ、はんだバンプの微細化が接合部に与える影響を耐衝撃性の観点から基礎的に評価することができ、また昨年度のCuパッドの場合との比較も行っており、おおむね順調に進展している。界面反応層との関係について明確にすることを早急に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに汎用的に使用されるCuパッドと無電解Ni-P/フラッシュAuめっきしたパッドの2通りで、はんだバンプの微細化が接合部に与える影響を耐衝撃性の観点から評価し、その結果、微細化の影響があることが明確になっているので、特に今後はその要因について明確にすることを目指し、そこから信頼性の高い界面を得る方策を検討する。また信頼性の高い界面の検討を目的として、引き続き、熱源にレーザを用いたはんだ付け部についても評価をおこなっていき、信頼性の高い界面構造についての知見を蓄積する。
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Research Products
(3 results)