2010 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザーを用いた新機能セラミックス三次元構造体の創製
Project/Area Number |
22560724
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (90273713)
|
Keywords | 酸化チタン / フェムト秒レーザー / CWファイバーレーザー / 機能性セラミックス / エアロゾルビーム / 三次元構造体 |
Research Abstract |
新機能セラミックス三次元構造体形成のためフェムト秒レーザー照射システムの構築を行った。レーザーとして保有する平均出力、繰り返し周波数、パルス幅がそれぞれ1W、1kHz、150fsのフェムト秒レーザーを使用した。集光位置は常時観測できるようにし、集光スポット径を約100μm程度に可変できるようにした。また、フェムト秒レーザー照射により形成した黒色化領域を消去するためのCWファイバーレーザーを用いた照射系についても、フェムト秒レーザーと同様なシステムとなるように光学設計した。次に、機能性セラミックスへの投入エネルギーを高度に制御するため、レーザー照射時間及び集光スポット位置制御システムの設計を行った。メカニカルシャッターを光軸上に設置し、開口時間を制御することでレーザー照射時間の制御を行えるようにした。メカニカルシャッターの開口時間は10ms程度であるが、さらなる短時間照射を実現するために保有するフェムト秒レーザーの外部トリガ入力によって1パルスから繰り返し1kHz照射まで可能にした。また、レーザー集光スポット位置を制御するため、コンピュータで制御可能なXYZステージを設置した。設計した照射システムを用いて、エアロゾルビーム照射によりガラス基板上へ形成した酸化チタン膜に対してガラス面からフェムト秒レーザーを集光し、ガラスとの境界の酸化チタン膜面が黒色化する条件を明らかにした。黒色化領域の電気抵抗値を測定した結果、投入エネルギー増加に伴い電気抵抗値が減少することが明らかになった。まだ、フェムト秒レーザー照射により表面を黒色化させた酸化チタン膜は可視光照射によっても電気抵抗値が減少したことから、黒色化領域では可視光応答性が付加されていることが示された。
|