2011 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザーを用いた新機能セラミックス三次元構造体の創製
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22560724
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (90273713)
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Keywords | 酸化チタン / フェムト秒レーザー / CWファイバーレーザー / 機能性セラミックス / エアロゾルビーム |
Research Abstract |
フェムト秒レーザー集光照射によりセラミックス材料内部に酸素欠陥等の結晶構造欠陥誘起現象を引き起こし集光照射領域の材料特性を三次元的に変化させることで、「新機能セラミックス三次元構造体」を創製するための基礎的技術開発を行うことを本研究の目的とした。はじめに、透光性酸化チタン皮膜を用いた基礎実験として、フェムト秒レーザーの点集光照射実験を行った。実験では、エアロゾルビーム皮膜形成法あるいは焼結により形成した透光性酸化チタン皮膜を用いた。平成22年度に設計・製作したレーザー照射系及びレーザー照射時間・集光位置制御システムを用いて透光性酸化チタン皮膜に対し照射実験を行った。黒色化のためのレーザーフルーエンス及び照射回数等のレーザー照射条件を明らかにした。CWファイバーレーザーを用い、黒色化のためのレーザー照射条件についても明らかにした。次にレーザー集光スポットを走査することで、二次元および三次元での黒色化領域形成を試みた。実験では、透光性酸化チタン膜中にフェムト秒レーザーを集光走査した。点集光実験で得た結果を基に集光走査条件を設定した。集光走査には、本研究で設計・製作した集光位置制御システムを駆使した。集光位置を操作することで、二次元的に黒色化領域を作製した。さらに集光位置制御システム(Z軸)を用い三次元的に黒色化領域を創製した。創製した構造体、三次元の構造体の新機能について評価するために電気抵抗を計測した。その結果、フェムト秒レーザーにより形成された三次元構造体の電気抵抗が減少していることがわかった。CWファイバーレーザーの集光走査実験を行い、黒色消去条件を明らかにした
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に設計・製作したレーザー照射系及びレーザー照射時間・集光位置制御システムが良好に稼動しているので、透光性酸化チタン皮膜に対する照射実験を円滑に行うことができた。その結果、順調に、黒色化のためのレーザー照射条件を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、酸化チタンについては、複雑な三次元構造体創製を試みるとともに、新機能について評価する。前年度の結果を基に、透光性を有する酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛等の機能性セラミックスについてもフェムト秒レーザーを集光照射し、電気特性あるいは光学特性制御に関する研究を推進する。
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