2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶材料の延性・靱性解明のためのNi基バルクナノ結晶材料創製
Project/Area Number |
22560726
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀧川 順庸 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (70382231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50173133)
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Keywords | Ni基バルクナノ結晶材料 / 電解析出法 / 内部応力 / 高強度 / 高延性 |
Research Abstract |
本研究では、浴組成の検討・再検討により、均質でかつ内部応力を低減した厚み2mm以上のNi基バルクナノ結晶材料を創製することを目的とする。また、この健全なバルク試料に対して延性、靱性を評価することにより、ナノ結晶材料の機械的特性の本質に迫ることを目指す。平成22年度は主にNi単相のナノ結晶材料作製条件の検討を行った。これまでに、硫酸ニッケルをニッケルの供給源としクエン酸をpH緩衝剤として用いたクエン酸浴を用いたナノ結晶Niの作製プロセスについてはすでに検討している。そこで、スルファミン酸ニッケルを供給源としたスルファミン酸浴を用いた作製プロセスの最適化を行った。Niの錯化剤としてプロピオン酸、クエン酸の2種、光沢剤としてサッカリンナトリウム(サッカリン)、2-ブチン-1,4-ジオール(ブチン)、アリルスルホン酸ナトリウム(アリル)の3種を用いて7種類の電析浴を用意し、電析浴組成と得られるバルクナノ結晶Niの関係について検討を行った。いずれの浴から作製した試料においても、試料中の10ミクロンオーダーの欠陥はほとんど観察されなかった。また、内部応力もほとんどない試料が得られた。XRD回折およびTEM観察による粒径測定の結果、粒径が25~50nm程度のバルクナノ結晶材料が得られた。硬さ試験の結果、浴の変化により、300-700Hvの範囲で様々な硬さを示すバルクナノ結晶Niの作製が可能であることが明らかになった。引張試験の結果、強度1.2GPa、伸び15%という優れた引張特性が得られた。
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Research Products
(7 results)