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2011 Fiscal Year Annual Research Report

光化学還元法による全湿式銅回路パターン形成プロセスの開発

Research Project

Project/Area Number 22560733
Research InstitutionKonan University

Principal Investigator

縄舟 秀美  甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (60156007)

Keywords銅微細回路 / 光化学還元法 / 環境調和型無電解銅めっき / 局部分極曲線 / 銅(II)の還元機構 / 局部分極曲線 / 混成電位理論
Research Abstract

本年度は、光化学還元法による環境調和型の銅微細回路形成プロセスに関する下記2項目を検討した。
1.本研究の光化学還元法による銅薄膜形成条件としては、紫外光は主波長365nmの低圧水銀ランプの使用が可能であり、還元助剤としてのクエン酸の使用が、銅薄膜の析出速度および皮膜形状(平滑・緻密)の観点から適していた。銅薄膜の成膜速度は0.65μm/hと遅いものの、紫外光照射時間の増大に伴う銅の還元析出量(析出銅薄膜の膜厚)が直線的に増大することから、紫外光照射時間による膜厚の制御が可能であった。
2.還元助剤としてのカルボン酸共存下における紫外光照射による銅(II)イオンの還元機構を電気化学的に検討した。酢酸銅/クエン酸/pH緩衝剤水溶液系について、紫外光ON/OFF時における銅電極の局部分極曲線を測定した。クエン酸/pH緩衝剤水溶液についての銅電極のアノード分極曲線の測定において、紫外光OFFにおける自然電極電位は40mV(本文中の電極電位は、Ag/AgCl(3.3MKCl)電極を基準とした値である)であり、これより貴な電位領域では微弱なアノード電流が流れた。紫外光ONにおける自然電極電位は10mVにシフトし、これより貴な電位領域において大きなアノード電流が流れた。一方、酢酸銅/pH緩衝剤水溶液についての銅電極の局部カソード分極曲線の測定においては、紫外光照射の有無にかかわらず、自然電極電位は40mVであり、これより卑な電位領域においてカソード電流が流れた。紫外光照射時にのみ28mV付近に混成電位が存在し、この電位は酢酸銅/クエン酸/pH緩衝剤水溶液中での銅電極の自然電極電位にほぼ一致した。また、混成電位におけるカソード電流密度(=アノード電流密度)から算出した銅の析出速度の計算値と、銅の析出速度の実測値がほぼ一致したことから、本研究の光化学還元法において、混成電位理論の成立が明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の根幹をなす、光化学還元法における銅(II)イオンの還元機構の解明において、従来の無電解めっきの析出機構の解明に適用されてきた局部分極曲線の測定方法、および混成電位理論に関する基礎的な知識が確立されていたことにより、研究全体が概ね順調に進展した。

Strategy for Future Research Activity

最終年度である平成24年度は、光化学還元法による全湿式銅回路パターン形成プロセス全般の総括を行う。
本研究課題の今後の推進策として、銅微細回路上への部品接合を目的とした光化学還元法によるビスマス薄膜の形成を検討している。本研究の成果から、従来、無電解めっきが難しいとされてきたスズおよびビスマス等の薄膜形成への適用の可能性が充分考えられる。特に次世代デバイスとして注目されているSiCおよびLEDパワーデバイスでは、200℃での高温常用が必至となる。したがって、従来のデバイスおよび周辺技術に代わる、高温常用デバイスに適用可能な回路形成および接合技術としてのビスマスの薄膜形成への本研究の成果の適用を検討する。

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Published: 2013-06-26  

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