2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微細組織制御プロセッシングによるマグネシウムシリサイド系熱電材料の開発
Project/Area Number |
22560738
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
谷 淳一 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (20416324)
|
Keywords | 材料加工・処理 / マグネシウムシリサイド / 廃熱利用 / 半導体物性 / ナノ材料 / 微細組織 / 熱電変換材料 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本年度は、酸化物還元法によりマグネシウムシリサイド系熱電複合材料を作製し、その微細組織、輸送特性、熱電特性について検討を行った。また、同系熱電複合材料に分散させる第2相粒子として、Mg_3sb_2、Mg_3As_2、OsSi_2などの化合物について、第一原理計算により電子状態、機械的性質などの諸物性について検討を行った。その主な研究成果は下記の通りである。 1. 11種類の酸化物、炭酸塩、水酸化物(Al_2O_3、Bi_2O_3、Sb_2O_3、Li_2CO_3、CuO、Ag_2O、In_2O_3、La(OH)_3、Ga_2O_3、Na_2CO_3、およびY_2O_3)を出発原料に添加し、酸化物還元法およびパルス通電焼結法により、緻密なマグネシウムシリサイド系熱電複合材料を作製した。室温での輸送特性測定の結果、Li_2CO_3を添加した系はp型、その他の添加物はn型の性質を示し、その輸送特性は添加物の種類によって大きく変化することが分かった。Ag_2Oを添加した系では、ホール係数から判定されるキャリアタイプはn型であったが、ゼーベック係数はp型を示した。Al_2O_3、Bi_2O_3、Sb_2O_3、La(OH)_3を添加した場合の熱電無次元性能指数(ZT)の最大値は、約860K付近でそれぞれ0.58、0.68、0.63、0.06の値を示した。また、その微細組織が熱電特性に影響を及ぼすことを明らかにした。 2. Mg_3Sb_2およびMg_3As_2の電子状態計算、格子振動計算を行い、それらの電子状態や熱力学パラメーターについて明らかにした。また、高圧状態でのOsSi_2半導体の構造および弾性定数の計算を行い、β-FeSi_2と比較した。
|