2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微細組織制御プロセッシングによるマグネシウムシリサイド系熱電材料の開発
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22560738
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Research Institution | 地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
Principal Investigator |
谷 淳一 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員 (20416324)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 材料加工・処理 / マグネシウムシリサイド / 廃熱利用 / 半導体物性 / ナノ材料 / 微細組織 / 熱電変換材料 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本年度は、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)熱電材料のレーザー光照射による表面改質とRFマグネトロンスパッタ法により作製したMg2Si薄膜の熱電特性について検討を行った。その主な研究成果は、下記の通りである。 1.連続波Ybファイバーレーザー光(波長1070 nm)を放電プラズマ焼結法で作製したMg2Si焼結体に照射し、レーザー光の走査速度、強度などの照射条件と微細組織との相関を調べた。真空中、走査速度5 mm/sで照射した時、Mg2Si焼結体に形成された溝の幅、深さはレーザー強度に強く依存した。レーザー強度の増大に伴い照射部の試料温度が上昇するため、溝内部およびその周辺にクラックが多数発生した。レーザー強度を3~10 Wの出力で高密度焼結体に照射した時、照射部に数百nmサイズのナノピラーが形成されており、その直径、高さはレーザー強度に依存することが明らかとなった。一方、低密度焼結体では、形成される溝深さは増大したが、単位面積当たりの試料温度の上昇が抑えられたため、試料の一部に溶融した様子が観察されたものの、ナノピラーの形成は認められなかった。 2.RFマグネトロンスパッタ法により作製したMg2Si薄膜の電気抵抗率、ゼーベック係数の温度依存性をバルク焼結体の値と比較した。Mg2Si薄膜のゼーベック係数は、室温~723 Kの温度域でバルク試料とほぼ同じ値を示した。一方、室温~573 Kの低温度域の電気抵抗率は、薄膜の方がバルク試料よりも大幅に高い値を示したが、673 K以上の高温度域においてほぼ同じ値を示した。このことから、高温度域でのMg2Si薄膜のパワーファクターはバルク材料とほぼ一致することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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