2012 Fiscal Year Annual Research Report
せん断と圧延の複合加工による集合組織制御と高成形性ステンレス鋼板の開発
Project/Area Number |
22560741
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宮本 博之 同志社大学, 理工学部, 教授 (10298698)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 集合組織 / ステンレス鋼板 / リジング / 成形性 / 強ひずみ加工 / ECAP |
Research Abstract |
16%Crフェライト系ステンレス鋼熱延板に対して、ECAP(チャンネル角120°,90°)を1パス加工した後に冷間圧延、最終焼鈍を行った. 各工程後の加工組織に着目し, 再結晶挙動やリジングに及ぼすECAP加工の影響について検証した結果, 以下のことが明らかになった. 1)冷延前の1パスのECAP加工により結晶粒スケールのせん断帯が形成していることが確認された.このせん断帯の方位は母相結晶粒とは異なる方位を有し, その方位差はチャンネル角の減少により増加していた. また, 従来工程では欠陥の少ないバンド組織が形成されていたのに対して, ECAPを加えた工程ではバンド組織がせん断帯により分断されて微細化ていた. これはECAP加工により直接形成されたせん断帯に加えてECAP加工による結晶回転による間接的効果により冷延中に形成したものも含まれる可能性も考えられる. 2) 最終焼鈍後は<111>//NDと<001>//ND方位粒が圧延方向に沿って交互に配列した典型的なコロニーになっていたが,ECAP加工を加えることにより,コロニーが弱まると同時に<111>//ND 方位が多くなり、<001>//ND 方位が少なくなる傾向にあった. これに対応してリジング性とr値はやや向上していたが, その効果は限定的であった. 3) ECAP加工を加えることにより軟化開始温度が50℃低くなったが, チャンネル角の影響は見られなかった. 再結晶の促進は主にせん断帯の形成によると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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