2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高度処理に向けたハイドロタルサイトの貫流容量の向上に関する研究
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22560747
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 利夫 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40170766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 智之 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (10397854)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 富栄養化 / 水質汚濁防止 / 環境材料 / 水質浄化 / リン / ハイドロタルサイト / 高度処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リン酸イオンに対し高選択性と大吸着容量を有するハイドロタルサイト化合物(HT)を大量に担持し、かつ効率的に再生とリン回収を可能にする樹脂成形体を開発し、中・小規模の生活排水処理施設に適用可能なコンパクトで高性能な超高度リン除去・回収・再資源化システムを確立することである。 平成24年度は、システムの最終評価を行うため、既設の実規模装置へスケールアップした際に生じることが予想される問題点の抽出を行った。リン吸着と再生を繰り返すターンオーバー試験の結果、貫流容量が増加しない要因として生活排水二次処理水のpHが問題となっている可能性が示された。本プロセスでは二次処理水のpHをあらかじめ約5.0に調整した後、エアレーションを行ってリン吸着の阻害となる炭酸イオンを除去している。そこでpH調整、すなわち脱炭酸の有無によるHTの吸着能力と構造の変化について、吸着・脱離・再生後のXRDの回折パターンを比較・解析した。その結果、初期吸着では二次処理水中の炭酸イオンの影響が大きく、脱炭酸処理を行わなければ吸着量が約25%低下することがわかった。また、吸着後のXRD回折ピーク強度は脱炭酸の有無に関わらず低下したが、脱炭酸処理後のHTでは低角度の回折ピーク(003)強度が明らかに低下していた。再生操作を行った結果、脱炭酸をしていないHTではXRDの回折ピーク強度は概ね元に戻ったが、脱炭酸処理したHTでは回折ピーク強度は低いままであった。なお、再生後のリン吸着量は脱炭酸の有無で変わらなかった。 以上のことから、二次処理水のpHを下げることによる脱炭酸処理はHTの溶解に伴い水酸化物イオンが溶出を促し、HTの結晶性の低下、さらにはHTの吸着機能の低下をもたらすことが示唆された。したがって、吸着プロセスにおける脱炭酸処理ではpHの低下を極力控える必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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