2012 Fiscal Year Annual Research Report
高分子溶液滴の蒸発・乾燥機構の解明および薄膜パターニング形状の制御手法の確立
Project/Area Number |
22560751
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
両角 仁夫 高知工科大学, 工学部, 准教授 (60304747)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液滴 / 蒸発 / 薄膜形成 / 微粒子輸送・堆積 / 数値解析 |
Research Abstract |
インクジェット技術を用いた電子デバイス製造プロセスでは,ノズルから吐出された機能性溶液の微小液滴を基板に着弾させ,溶剤の蒸発・乾燥を経て機能性薄膜を形成させる.このとき,厚みが均一かつ任意なパターン形状の薄膜を形成させることが望まれている.本研究課題では,微粒子懸濁液滴の蒸発・乾燥過程における移動現象を実験および数値解析の両面から検討し,薄膜パターン形状の制御方法を確立することを目的としている.H24年度は前年度までに二相流格子ボルツマン法を基に構築した液滴蒸発過程のシミュレーションコードに微粒子輸送・堆積モデルを組み込み,微粒子懸濁液滴の乾燥過程における微粒子の輸送・堆積挙動を検討した.蒸発液滴内における微粒子の輸送は,重力,浮力,周囲流体の流動による慣性力と粘性力,粒子同士の分子間力を考慮した単一粒子に関する運動方程式により求めている.また,基板上への粒子の堆積は粒子と基板表面との付着力により考慮している.濡れ性が均一な基板上(静的接触角60°)の単一液滴が蒸発する過程における微粒子挙動のシミュレーションを行った.接触角に関しては前年度までに構築した動的接触角モデルを適用し,後退接触角30°において接触線が後退するものとした.その結果,液滴蒸発に伴う自由表面の後退に伴って微粒子が液滴中心へと輸送されて基板上に堆積する挙動が示された.本シミュレーション結果では蒸発開始から後退接触角に至るまで接触線は固定されており,この過程において液滴内では接触線に向かう流れが見られたが,接触線の流れに同伴して微粒子が輸送される挙動は見られなかった.これは,シミュレーションで与えた蒸発速度が大きく、液滴の蒸発に伴う自由表面の後退の影響が微粒子輸送に及ぼす影響が大きいためである.したがって,より小さい蒸発速度,すなわち長い蒸発時間でのシミュレーションの実施が望まれる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)