2012 Fiscal Year Annual Research Report
発酵生産されるバイオベースプラスチック原料のイオン液体を用いた新規分離
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22560754
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松本 道明 同志社大学, 理工学部, 教授 (10157381)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イオン液体 / 含浸液膜 / ベシクル / 分配平衡 / 乳酸 / コハク酸 / ジオール / 膜分離 |
Research Abstract |
1.イオン液体を含む液膜による発酵産物の分離 バイオベースプラスチックの原料として注目され発酵生産されている乳酸,コハク酸および1,3-プロパンジオールについてイオン液体を含む液膜による分離を検討した.まず乳酸については,これまで全く使用されていなかったバクテリアセルロースをイオン液体の含浸支持体として使用する新しい試みを行った.コハク酸については昨年度まで乳酸について行われたイオン液体含浸膜およびイオン液体を含む高分子可塑剤膜を用いて透過実験を行い,それらの膜透過機構を明らかにした.1,3-プロパンジオールに関しては,酸性の疎水性イオン液体を触媒として用いた反応抽出系において,前年度までの平衡論的検討に加え,その速度論的機構を検討し,その抽出機構を推定した.以上新規の注目すべき物質群であるイオン液体は高価であるため,この使用量が比較的少なくて済むイオン液体を含浸した高分子膜,イオン液体を可塑剤として使用する高分子可塑剤膜およびイオン液体を新規な反応触媒として利用する液液抽出技術などを新しい分離技術として開発した. 2.イオン液体の水-ベシクル間の分配 本年度はイオン液体の構造と分配の関係を明らかにするために,蛍光試料内封ベシクル懸濁液用いてイオン液体のベシクル内の分配位置の特定を行った.その疎水性の大小に関わらず,すべてのイオン液体はベシクル深部に分配していることがわかった.またゼータ電位測定を行い、ベシクル粒子近傍の荷電状態をイオン液体の分配前後で評価することで、イオン液体の分配機構について検討した.イオン液体は緩衝液中ではアニオンとカチオンに解離しており,分配は構成するイオンそれぞれについて独立して考える必要があることがわかった.また蛍光測定およびゼータ電位測定の結果から,構成イオンごとの疎水度や構造に起因する取り込まれやすさが、菌体毒性と関連性すると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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