2012 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物スラグ融液内での不均一化学反応を伴う金属揮発ダイナミクス
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22560758
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 仁樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80115633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 光宏 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60345931)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 溶融スラグ / 重金属 / 揮発分離 / 廃棄物 / 溶融処理 / 硫化水素 / 酸化鉛 |
Research Abstract |
本年度は平成22-23年度に引き続き,CaO-SiO2-Al2O3溶融スラグからの鉛化合物の揮発に及ぼすH2Sの影響を検討した. 具体的には,N2-H2S雰囲気下,H2S分圧を変化させることによってCaO-SiO2-Al2O3溶融スラグからの鉛化合物の見かけの揮発速度を求めた.実験は昨年度までと同様,PbO粉末とSiO2, Al2O3, CaO粉末を混合した混合スラグ試料をO2-N2(空気)流通条件下,アルミナ試料セル内で1673~1773 Kで溶融した後,装置内雰囲気をO2-N2からN2-H2S混合ガスに切り替えることによって溶融スラグ中のPbOとH2Sとの反応に伴うPbSの揮発特性を調べた. その結果, 反応器内をN2-O2からN2-H2S雰囲気に替えると鉛揮発物はほとんどがPbSとして同定され,本条件では溶融スラグ中のPbOはH2Sとの反応によってほとんどはPbSとして揮発した.また,N2-O2雰囲気下でのPbOの揮発に比べて,PbSの揮発量および揮発速度は相対的に大きいことがわかった.このとき,CaO-SiO2-A12O3溶融スラグからのPbSの見かけの揮発速度定数はH2S分圧にほぼ直線的に比例し, CaO組成比の大きい低粘度の溶融スラグほど大きくなること, さらには溶融温度が高くなるほど大きくなることを認めた. 以上より,CaO-SiO2-Al2O3溶融スラグからのPbSの揮発速度は(i)PbOの溶融スラグ側境膜内の物質移動,および(ii)気相-溶融スラグ界面でのPbOとH2Sの化学反応の2つの律速過程に影響されることが考えられた.一方,本結果と平成22年度のN2-HCl雰囲気で得られた結果を比較したところ,同一分圧下ではPbCl2およびPbSの揮発速度はほぼ同じになったことから,PbOの溶融スラグ内における物質移動の影響が支配的になると考察された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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