2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560759
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 豊 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80127456)
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Keywords | 化学工学 / 反応・分離工学 / 廃棄物処理 / 超音波反応 / 可視化 |
Research Abstract |
効率的な超音波反応器を開発することを目的として、反応器内水中での超音波反応場と超音波流を明らかにすることを試みた。 反応場は高い音圧場に相当するため、ハイドロフォンとデジタルオシロスコープを用いて、X,Zステージで正確な位置決めをしながら、超音波音圧分布を測定した。超音波は反応器下部から上方に照射されるが、超音波振動子から遠い、反応器上部に高圧部が生じ、数値解析結果とほぼ一致した。 瞬間反応であるルミノール発光反応を用いて、移動現象から独立した本来の反応場が液面近傍に限られることを明らかにした。超音波は液面で反射され、定在波が生じ、高音圧場が生じるが、高音圧場と本来の反応場の領域は一致しておらず、後者の方が狭い。この違いの理由はまだ明らかにはできていない。 数値解析では反射板設置により、音圧は全体に高くなり、反射板直下に音圧の高い領域ができた。反射板位置が高いほど、音圧の高い領域は広くなった。実験では反射板の設置により、本来の反応場が大きくなった。これは音圧が高くなって、定在波がより強くなったためと考えられる。また、反射板位置が高いほど、本来の反応場は広くなった。数値解析と実験でこれらは良い対応を示している。液流動の促進をねらいとして、槽側壁邪魔板を設置したところ、流動は少し促進された。 本研究の結果から、超音波反応は反応器上部で形成される高圧部、定在波領域で起こるが、反射板を用いることにより、これらをより強く広くできることが明らかとなり、効率的な反応器開発に重要な指針を与えることができた。
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Research Products
(3 results)