2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波の誘起する高温高圧微小気泡の温度・圧力特性の解析と精密反応制御法の開拓
Project/Area Number |
22560760
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
興津 健二 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (60295095)
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Keywords | 超音波 / キャビテーション / ソノケミストリー / 速度論 |
Research Abstract |
水に超音波照射した時に生成する高温高圧の微小気泡(バブル)は、数μm~100μmの大きさからなる特異なミクロ反応場として、有機合成や無機合成をはじめ、ナノ材料創製、環境保全、エネルギーなど様々な分野で活発に応用研究されている。しかしながら、極めて短時間でバブルが生成・消滅を繰り返す特異な反応場であるが故に、そこで起こる物理化学現象についてはまだ十分に明らかとなっていないのが現状である。本研究では、種々のアルコールを含む水溶液に超音波照射し、その時生成する分解生成物であるエタン、エチレンおよびアセチレンの量を速度論解析することによりバブル温度の見積もりを行った。超音波照射条件(照射時間、アルコールの種類、バルク溶液温度や雰囲気ガス等)がバブル温度にどのような影響を与えるのかについて検討した結果、超音波照射時間がある時間より長くなると照射時間と共にバブル温度が低下する傾向がみられた。これはアルコールの超音波分解によって生成する炭化水素の量が照射時間と共に増えてくるためバブル内に含まれている気体の平均比熱比が低下し、その結果、バブル温度が低下したものと考えられた。さらにアルコールの濃度が高くなるほど、バブル温度が低下する傾向があった。種々のアルコールを用いて様々なバルク溶液温度でバブル温度を見積もった結果、バブル温度とアルコールの蒸気圧との間で良い相関があることが認められた。比熱比の低い二酸化炭素を添加するとバブル温度が低下することが認められた。
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