2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音波の誘起する高温高圧微小気泡の温度・圧力特性の解析と精密反応制御法の開拓
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22560760
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
興津 健二 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295095)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | ソノケミストリー / パラジウム / 金 / グラフェン / 還元 |
Research Abstract |
精密反応制御に利用できる超音波合成法の開発に向けての研究として、200kHzの超音波発生装置を用いて、パラジウム錯イオンの還元によるパラジウムナノ粒子の合成と金錯イオンの還元による金ナノ粒子の合成を行った。特に反応系に添加されるカチオン性界面活性剤と無機塩の混合比を変えることにより、還元反応速度と生成されるパラジウムナノ粒子のサイズと形状の制御を試みた。透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いてキャラクタリゼーションした結果、生成されるナノ粒子は実験条件によって球状からシート状へと変化することがわかった。金錯イオンの還元と形状制御合成の場合も添加されているアスコルビン酸やカチオン性界面活性剤等の添加物の濃度の影響を受けることがわかった。以上の還元反応の進行には、超音波照射により生成される還元性ラジカルの量が重要と考えられた。さらに、20kHzのホーンタイプ型超音波発生装置を用いて、酸化グラフェンの還元によるグラフェンの合成について検討した。各種実験パラメーター(超音波強度、パルスモード、溶液温度、溶液pH、アスコルビン酸の量)の影響を調べた結果、高超音波強度、長パルスモード、高温、高pH、高アスコルビン酸濃度の時にグラフェンの生成(酸化グラフェンの還元)が速やかに進行することが確認された。また、グラフェンの生成は従来の撹拌合成法よりも速やかに進行することが確認された。反応速度は溶液温度の影響を強く受けるため、みかけの活性化エネルギーの値を求めた。その結果、超音波合成法では撹拌合成法よりもみかけの活性化エネルギーが約25%低いと計算された。超音波合成法では、1) 高温高圧バブルの生成、2) 溶液温度の上昇、3) 衝撃波やマイクロジェット流などの物理的な効果による物質移動の促進、により酸化グラフェンの還元が速く進行したものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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