2012 Fiscal Year Annual Research Report
層間イオンの局所構造制御による新規酸素吸蔵材料の開発
Project/Area Number |
22560763
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中田 真一 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70312692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 純雄 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50233797)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸素吸蔵能 / デラフォサイト / 銅酸化物 |
Research Abstract |
デラフォサイト型CuCrO2のCrサイトにMnを置換した固溶体の酸素吸蔵機構を検討した。固溶体は出発原料としてCu2O, Cr2O3およびMnイオンを含む酸化物を用いて,N2 気流中,960~1100℃で焼成して合成した。 CuCr1-xMnxO2において,x=0~0.2組成ではMn3+置換量の増加に伴いOSCの発現温度は低温側へシフトし,x=0.8, 0.9組成では300~600℃の温度範囲でx=1.0組成よりも高いOSCを示した。また、x=0.8~1.0組成ではMn3+置換量が大きい組成ほど低温域から高いOSCを発現した。これはMn3+置換によるMO6八面体層の拡大に伴い,酸素が挿入されるCu+‐Cu+間の距離が増加し酸化が容易になったことが一因と考えられる。OSC測定後の試料のXRDパターンにおいては,x=0~0.2組成ではデラフォサイト構造を維持し,x=0.8~1.0組成ではデラフォサイト相の一部がCu, Cu2OおよびMn3O4に分解した。低温域でのOSCが高いx=0.8, 0.9組成ではCr3+に比べ還元されやすいMn3+の含有量が多いため耐還元性が低下したと考えられる。 CuCr1-xMnxO2のH2-TPR測定においては,低温域の酸素吸蔵能が高いx=0.8~1.0組成では還元温度が低くなった。H2-TPR測定後の試料のXRDパターンより,いずれの組成においても主相として金属Cuが見られ,還元ピークはいずれの組成でも1本であったことからCu, Mnイオンは同じ温度領域で還元されることがわかった。 以上の結果より,CuCr1-xMnxO2において八面体サイトを占有するイオンの還元特性が酸素吸蔵能を支配する因子の1つであることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)