2010 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンを酸化剤とした低温作動型VOC酸化触媒反応の開発
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22560765
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永長 久寛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (90356593)
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Keywords | オゾン / 金属酸化物 / 酸化分解反応 |
Research Abstract |
本研究は,オゾンを酸化剤とした揮発性有機化合物の低温酸化触媒プロセスについて,室温付近の温和な条件下で高い活性を示す触媒材料の開発を目的としている.今年度は、少量のオゾンで低濃度ベンゼンを効率良くCO2まで酸化分解・無害化する触媒材料を探索するとともに、反応過程について分光法を用いて検討した。マンガン系酸化物を高表面積のシリカ担体に担持することにより、無担持触媒に比べてオゾンの有効利用率およびベンゼン酸化活性が向上した。また、マンガン酸化物では他の遷移金属酸化物に比べて活性劣化とオゾンの自己分解が起こりにくいことがわかった。昇温酸化プロファイル測定より、マンガン酸化物では、触媒表面上に反応中間生成物の生成量が多いものの、これらの酸化分解が速やかに進行することがわかった。続いて、シリカ系担体に銅-マンガン複合系酸化物を含浸担持することにより、ベンゼン酸化活性がさらに向上した。これらについて調製条件を最適化した結果、銅-マンガンモル比が1:1、焼成温度を600℃とすることで最大活性を示す触媒材料を得ることができた。FTIRにより触媒表面におけるベンゼンの反応挙動を追跡したところ、脂肪族のカルボニル基が観測され、芳香族カルボニル基が見られなかったことから、マンガン酸化物触媒では酸素付加および芳香環の開裂反応が速やかに起こり、銅を添加・複合金属物化することでこれらの過程が促進することが明らかとなった。以上のように、シリカ系の高表面積担体へのマンガン系複合酸化物を担持することにより有効なオゾン酸化触媒を得ることができた。
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Research Products
(3 results)