2011 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンを酸化剤とした低温作動型VOC酸化触媒反応の開発
Project/Area Number |
22560765
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永長 久寛 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (90356593)
|
Keywords | オゾン / マンガン / 揮発性有機化合物 / 触媒 / 酸化分解 |
Research Abstract |
本年度は揮発性有機化合物(VOC)に対して高いオゾン酸化分解活性を示す触媒材料の開発を目的とし、シリカやゼオライトへのMn酸化物担持過程を変えた際のMn酸化物の構造変化や分散性について検討するとともに、これらのオゾン酸化活性への影響について精査した。ベンゼンのオゾン酸化活性は触媒担体(ゼオライト、シリカ)の表面積を増大させることにより向上し、特に担体として疎水性のシリカ系ゼオライトを用いることで有機系の副生成物(ギ酸など)の生成を抑制することが可能となった。Mn酸化物の担持過程の際に硝酸マンガンを前駆体として用いることで酸化マンガンの凝集した活性点が得られ、酢酸マンガンを用いることで、高分散に活性点を構築することができた。 Mn酸化物担持シリカ触媒への第二成分(Fe,Co,Cu,Ni)添加効果についても検討を行い、Cuなどの遷移金属を添加することによりベンゼンの酸化活性が向上することを見出した。この際、硝酸塩を前駆体とすることでCu-Mn複合酸化物相が形成しており、これらの活性点が中間生成物である触媒表面上のギ酸やカルボキシレートの酸化分解を促進することを、FTTIRスペクトル追跡により明らかにした。触媒の焼成温度依存性についても検討を行い、焼成温度を高温化することで複合酸化物相の結晶化が促進し、酸化能が向上することがわかった。調製したCu-Mn担持シリカは、Mn酸化物触媒(非担持触媒)に比べて高いオゾン有効利用率(低いオゾン/ベンゼン分解比)を示しており、省エネルギー型のVOC処理システムを構築する上で有用な触媒になると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の重要な目的の一つは揮発性有機化合物のオゾン酸化分解に有効な触媒の開発であり、すでにこの目的に達している。但し、研究成果の外部発表(特に論文発表)は未だ行っていないものが多いため、次年度では積極的に成果の公表を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的の一つとして、反応ガス中に水蒸気を添加した際のオゾン酸化分解過程の促進が挙げられており、種々の分光法を用いた反応過程の解析を行い、メカニズムを解明する予定である。
|
Research Products
(6 results)