2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560767
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 友章 仙台高等専門学校, マテリアル環境工学科, 教授 (70261584)
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Keywords | メカノケミカル / 有価金属 / コンバージミル / ITO / インジウム / 回収率 / メディアン径 / 酸濃度 |
Research Abstract |
本研究では、画期的な粉体処理装置「コンバージミル」の諸特性を活用して、難処理性セラミックス廃棄物からの有価金属回収技術を開拓し、低エネルギーで高収率となる有価金属回収システムの構築を図る。平成22年度は本研究の立ち上げ期間と位置付けて、酸化インジウム・酸化すず(ITO)系材料のメカノケミカル処理による最適処理条件の探索と酸溶出処理について検討した。 電子ビーム真空蒸着法によりスライド基板上にITOを堆積させた薄膜基板をモデル物質として、種々の条件下でメカノケミカル処理を行ったところ、メディアン径はITO薄膜投入量よりも媒体ボール径および処理時間に大きく依存する結果が得られた。媒体ボール径をφ8mm、処理時間が5~8minでメディアン径の極小値(2~4μm)が得られ、それ以上ではメディアン径が徐々に増加する傾向が見られた。 種々の条件下でIn回収率を調査した結果、溶解酸としてフッ化水素酸を用いた場合は、ガラス基板も溶解しており、処理時間2~40minまでほぼ100%の回収率となった。酸溶解種として、硝酸および塩酸を用いた場合は共に同様な傾向が得られ、0.5mol/Lの酸濃度では処理時間にほぼ依存せず30%程度の回収率に留まった。一方、2.5mol/L以上においては、処理時間2~20minの領域でほぼ100%の回収率が得られ、それ以上の処理時間では逆に徐々に減少する傾向が見られた。処理時間による処理粉末のメディアン径の傾向から、微細化が進行したことがIn回収率の向上につながったものと考えられる。 文献に依れば、液晶パネルの粗粉砕により塩酸濃度が6mol/Lで90%程度の回収率となっていることが示されており、本手法を用いることで5分程度の短時間のMC処理にて、さらに酸濃度を2.5mol/Lと低くしてもほぼ100%のIn回収率が得られることが明らかとなった。
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