2012 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース燃料電池性能向上に向けた取り組み「微生物からの電子獲得技術の向上」
Project/Area Number |
22560773
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
東 雅之 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20285282)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 応用微生物学 / 燃料電池 / 酵母 / グルコース |
Research Abstract |
本研究ではグルコース燃料電池に適した電池用酵母の育種について取り組んだ。昨年度までに小型のグルコース燃料電池を製作し、電池構成要素の最適化について検討した。また、細胞内の代謝と出力の関係を明らかにするため、パン酵母の変異株の解析を進めた。各種遺伝子欠損株の出力評価を行い、PFK1欠損株などの多くの変異株で、遺伝子欠損により平均出力が低下した。他種酵母についても出力評価を行い、Kluveromyces marxianusとパン酵母を比較すると、平均出力は同程度だが消費グルコース当たりの出力はK. marxianusの方が高いことが分かった。 上記の結果を踏まえて、平成24年度は変異や代謝阻害物質の添加が出力に与える影響について引き続き検討した。TCA回路を阻害した実験と変異によりエタノール生成量が増加した実験では平均出力は低下した。代謝を呼吸へ向けるために変異株の作成を試みたが、PDC1とPDC5の二重欠損株は致死となり取得できなかった。大腸菌では、ATPaseの変異によりグルコース代謝が活性化することが知られていた。そこで、大腸菌でATPase変異が出力に与える影響を検討した。その結果、試した多くの変異株で野生株より出力が上昇した。しかし、酵母のATPase変異株では1株のみわずかに上昇したが多くの場合上昇は見られなかった。これらとその他の変異株での結果は、出力の上昇には「エタノールとグリセロールの生成を抑制した上で解糖系全体を活性化させること」が重要であることを示唆した。 またK. marxianusについてはキシロースからも発電が可能であり、木質系バイオマスからの発電への利用が期待された。さらに、電池構成要素の検討において、イオン交換膜の種類を変えることで出力が上昇することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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