2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560778
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 正平 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10358658)
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Keywords | 絶対不安定 / 対流不安定 / ストローハル数 / カルマン渦周波数 |
Research Abstract |
これまでの申請者の研究成果によると、厚みが同じであるが、コード長が20mmと40mmであるNACA0012とNACA0006の後流特性を比較したところ、後者では広帯域で振幅が小さい変動が空間的に穏やかに成長するのに対して、前者ではある特定の周波数成分が選択的に成長し、しかも変動の振幅は後者に比べて、格段に大きいことが解った。この不安定機構の違いは、模型後流近傍の逆流領域の有無に由来し、実験でも数値解析でも逆流の存在を確認しており、前者は絶対型不安定で、後者は対流不安定に起因していると解釈される。一方、二次元柱体の後流では、規則的なカルマン渦列が形成され、その周波数の選択性は極めて高いことはよく知られている。この周波数選択性に流れの絶対全体不安定が関与していることも周知である。しかし、三角柱と四角柱のように、円柱とは明確に異なる点は剥離点が角部に固定されるために、後流構造に違いが生じることが推測される。事実、昨年度は三角柱の他の四角柱や四分円柱の後流特性について、特にカルマン渦列の周波数と模型後流の渦構造に着目し、回流水槽を用いた非定常渦構造の可視化を重点的に実施した。その結果、代表長さに基づくレイノルズ数が概ね100以上になると、角を持つ柱体の渦構造は、円柱のカルマン渦列とは明らかに異なる渦構造が見出された。具体的には、角を有する柱体後流でもカルマン渦列が形成されるものの、突如渦列崩壊が起こるがしばらくすると再度規則的なカルマン渦列が形成されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の中で最重要課題である『二次元頓頭物体の後流渦列の発生起源』を実験から特定する件に関しては、薄翼模型を瞬時に微小迎角変化させると、後流全体ではなくある特定の位置で最初に渦変動が成長し始めることが分かった。この位置が渦列発生起源に対応している可能性が高く、さらに追求する。加えて、研究実績欄に記述したように新しい流体現象も見出された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究上の問題点は特に無い。薄翼模型を微小迎角変化させる計測を継続すると共に、昨年度の新しい流体現象の定量計測をするために、新しく低速用風洞ノズルを製作し研究を推進する予定。
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