2012 Fiscal Year Annual Research Report
航空宇宙機のための形状記憶合金ワイヤーを用いた耐衝撃スマート構造CFRPの創製
Project/Area Number |
22560782
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇田 暢秀 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20160260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 幸生 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90038092)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / スマート構造 / 損傷 / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
航空宇宙機の機体構造への適用が進められている炭素繊維複合材料(Carbon Fiber Reinforced Plastics, CFRP)の層間靭性値を向上させることを目的として、前年度は、形状記憶合金(Shape Memory Alloy, SMA)ワイヤーを短く切ったものを板厚方向に打ち込んだ試験片のDCB(Double Cantilever Beam)試験を行い、モードI層間破壊靭性値を求めた。SMAワイヤーの体積含有率が0.05%では、SMAワイヤーの形状回復効果による破壊靭性値の向上は約0.05kJ/m2で約1%の増加に留まった。SMAワイヤーの形状回復力による層間高靭化機構を解析する力学モデルを構築し、SMAワイヤー体積含有率を実験の10倍である0.5%とした場合の破壊靭性値を解析的に求めたところ約4%向上することがわかった。今年度は、形状回復力の効果を十分に利用するため、SMAワイヤー(体積含有率0.09%)で縫合した試験片のDCB試験を行ったところ、形状回復効果による破壊靭性値の向上は約9%となった。また、縫合SMAワイヤーのネットワークを用いて損傷同定するために、損傷発生によるSMAワイヤーの電気特性変化に関する基礎的研究を進めるとともに、損傷部にあるSMAワイヤーを加熱することによってSMA縫合糸に形状回復力を誘起させ、剥離損傷の修復として剥離を閉口させる研究を行い、航空宇宙機構造へ適用可能な耐衝撃スマート構造複合材料の工学的妥当性を検証した。 他方、CFRP層間破壊靭性値の統計的特性を理解するための基礎研究として、CFRP継手構造の確率論的強度解析を行うとともに、強化材と母材の界面特性評価法や、CFRP積層板の衝撃後圧縮特性やCFRPサンドイッチ板の修復に関する研究も進め、SMAワイヤーを用いた耐衝撃スマート構造CFRPの創製に必要な基盤研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)