2011 Fiscal Year Annual Research Report
不確定性を考慮した宇宙スマート構造の形態創成設計に関する研究
Project/Area Number |
22560784
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小木曽 望 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (70295715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 眞二 京都大学, 工学研究科, 教授 (10346041)
|
Keywords | 不確定性 / ロバスト性 / 宇宙構造 / 最適設計 / 確率過程 / パワースペクトル |
Research Abstract |
材料特性や荷重などが空間的に変動する場合の不確定性を定常確率過程でモデル化する手法とロバストトポロジー最適設計の少ない確率変数でモデル化する手法を確立した.これに加えて,得られた設計解のロバスト性を可視化する手法として,確率過程を利用する手法を構築した.これは,空間変動を有する荷重に対する構造応答の空間変動成分を確率過程によって波数領域で表すことで,支配的な変動を有する波数成分を明確化する.具体的には,応答のパワースペクトルを利用する.これまでは力学的な洞察によってロバスト最適形態の妥当性を定性的に判断してきたが,パワースペクトルを利用して定量的に判断することが可能となり,空間変動特性とロバスト最適形態との関係を明示的に示すことができる. さらに,本手法の計算効率を高めることで,空間変動が一次元の場合から二次元の場合へと拡張し,三次元構造のロバスト設計問題に取り組むことができた. なお,本研究のロバストトポロジー最適設計法は,レベルセット法に基づくトポロジー最適設計法とロバスト設計法の組合せであり,目的関数に利用する二つのパラメータが最適形態におよぼす影響が定量的に判断できていない問題があった.そこで,これらのパラメータの組合せを変化させて詳細に調べることにより,これらのパラメータの影響を明確にするとともに,具体的な設計問題へ適用する際のパラメータ設定の指針を得た.上記の空間変動と合わせて,得られた最適形態のロバスト性の妥当性を明確化することができるようになった. 構造と熱のマルチフィジックス解析ツールの整備を進めることができた一方で,熱特性に対する不確定性モデルの構築が遅れている.これは,次年度の課題として取り組む予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画にはなかった最適設計に用いる二つの異なるパラメータの影響を調べるために時間を割いたために,やや遅れることとなった.現状では,構造と熱との不確定性を考慮するロバストトポロジー設計の開発への取組みが途中となっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度として本研究をまとめるとともに,本研究をより発展させ,実用化へと進めるための研究計画を構築する.そのために,構造と熱などのマルチフィジックス環境における空間変動モデルの構築を早急に進めることとする.
|
Research Products
(7 results)