2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然冷媒を用いた細管型・プレート式熱交換器の凝縮・蒸発熱伝達および圧力損失
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22560788
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 順広 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (80251677)
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Keywords | 冷凍空調 / 熱伝達 / 圧力損失 / R32 / 溝付管 / 細径管 / 凝縮 / 熱交換器 |
Research Abstract |
本研究は,冷凍空調分野でまだ十分な伝熱実験が行われていない炭素(HC)系冷媒,細管(管内径3mm~4mm程度)と船舶機関からの低温廃熱回収に利用可能な新型高効率プレート式熱交換器を用いて,凝縮・蒸発伝熱特性および圧力損失について実験を行い,冷凍空調機器や船舶機関システムへ適用可能な熱交換器の熱的設計,高性能化に資する知見を得ることを目的としている.2年目の本年度は,R410A冷媒および低GWP次世代冷媒に転換する過程での候補冷媒の一つであるR32の平滑細管・溝付細管の凝縮実験データの取得を行い,本実験(再現性の確認を含む)で平滑細管および1種類の溝付細管の凝縮熱伝達特性および圧力損失について実験・解析を行った.その結果,冷媒等の相違,これまでに提案した熱伝達および圧力損失の予測式の適用可否,新たな圧力損失・凝縮熱伝達の予測式を提案し,以下の事項を明確にした. 1、4mm細径溝付管の局所熱伝達係数は,平滑管より約1.2~2倍大きな値を示した.また,R410AおよびR32の4mm細径溝付管のは,外径6.35mm溝付管よりも高い値を示した. 2、R410A,R32いずれの冷媒においても,4mm細径溝付管は低質量速度で内面溝が伝熱促進に有効である. 3、4mm細径溝付管の圧力損失は,平滑管より約2倍大きな値を示した.R32の圧力損失は,低質量速度ではR410Aよりほぼ同じ値を示し,高質量速度ではR410Aより高い値を示した. 4、4mm細径平滑管および溝付管に適用できる冷媒R410A,R32の凝縮における圧力損失および凝縮熱伝達係数の相関式を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
凝縮実験については、順調に進展し、研究成果も当初の計画以上に挙げられていると思うが、蒸発実験については手付かずの状況である。予算の関係で、凝縮・蒸発同時に実験を行える装置としなかったことが大きな要因であり、当初計画における凝縮関連について見ればおおむね順調に進展しており、計画どおり完結できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
凝縮実験については順調に進捗していることから、最終年度で実験装置の組み換えに時間を要して蒸発実験を行えば、当初の目的はほぼ達成できるとは思う。しかし、先ずは凝縮実験によるデータ取得を優先し、凝縮研究の完結を優先して、研究成果をまとめる方向で最終年度の研究を進める予定である。その後、蒸発については同装置を用いで、データを取得し研究成果をまとめて行きたいと考えている。 当初の計画年度内で凝縮・蒸発のすべてを完結はできないが、期間を延長して蒸発実験については取組を継続することで、対応したいと考えている。
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Research Products
(9 results)