2010 Fiscal Year Annual Research Report
個別要素法を用いた鉱石圧の評価技術の構築に関する研究
Project/Area Number |
22560794
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 正広 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70173713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 孝男 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50380572)
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Keywords | 鉱石圧 / 個別要素法 / FEM / 連成解析 / 船体変形 / 動解析 |
Research Abstract |
ばら積み貨物船の構造強度を正確に評価するためには,船倉内に作用する鉱石圧の推定精度を向上させ,作用荷重を正確に評価する必要がある。 本研究では,個別要素法を用いて鉱石圧を数値計算で精度よく求めようとしている。個別要素法では鉱石を円形にモデル化して,鉱石間の接触,離反等の挙動を追跡する。一般に鉱石は扁平あるが,これを円形でモデル化することは,回転運動が実際の鉱石に比べて生じやすくなり鉱石の重要な物性値である安息角が実際と合わず,鉱石圧の評価精度が低下する。そこで,隣接する粒子との相対位置関係に応じた復元力,限界回転モーメントを導入し,粒子の回転運動を制御し回転運動の精度を向上させた。その結果, 個別要素法に限界回転モーメントを導入することにより安息角の操作が可能となり,粒状体の安息角に応じた圧力の計算が可能となった。安息角の計算を実船モデルについて実施し,平均粒子半径(75mm,100mm,150mm)においても実際の安息角が形成されることを確認した。 さらに,実船モデルでの静的鉱石圧について検討した。鉱石圧検討のための最適な粒子半径について検討した結果,平均粒子半径を100mmとすることにより底圧,側圧ともに良い分布形状が得られることがわかった。また,船級ルールであるCSRの鉱石圧算定式と比較して妥当な結果であることを示すとともに,現状の鉱石圧算定では考慮していない粒状体特有の挙動をとらえることができることを確認した。
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