2012 Fiscal Year Annual Research Report
構造信頼性解析を用いた設計不規則波による船体構造設計法の検討
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22560799
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
深澤 塔一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80143171)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 船体構造設計 / 信頼性解析 / 最悪短期海象 / 最大応力 / 疲労強度 / 海上安全 / 船舶工学 / 設計工学 |
Research Abstract |
近年,船体構造の安全性に関して,欧米の研究者を中心にしばしば損傷の可能性が強調されている。しかしながら,適切な保守点検の行われているいわゆる「健全な」実績船では大きな損傷がほとんど起こっていない。いたずらに損傷の可能性を叫ぶのではなく,船の安全性を適切に評価できる船体構造設計を実現させるためには,現実に起こり得る波浪中で荷重の非線形性を考慮して船体応答を検討する必要がある。本研究は,不規則海象における船体構造設計法について確率・統計的な検討を行い,より精度の高い船体構造設計法を提案することを目的とする。 船体に作用する荷重とそれによって発生する応力は,波浪との出合周期で変動する波浪変動成分と船体の固有振動数で変動する弾性振動成分に分けられるが,実際の船体構造にはこれらが重畳した応力として現れる。昨年度までは船体に作用する最大荷重や最大応力の推定に関して不規則波中での船体縦曲げモーメントのピーク値の確率分布形状について検討を行った。本年度は船体疲労強度に注目し,発生する応力ピーク値にレインフロー法を適用して応力振幅とその繰り返し回数を求め,それにマイナー則を適用して疲労被害度を計算し,弾性振動の影響による疲労被害度の変化や海象毎の弾性振動の影響について検討を行った。研究によって得られた成果をまとめると,以下のようになる。 ・比較的穏やかな海象中での疲労被害度にはスプリンギングによる高周波成分の小さな応力振幅の繰り返し回数の増加が支配的となるが,極限海象の様な厳しい海象中での疲労被害度にはホイッピングによる応力振幅の範囲の拡大とその繰り返しが支配的となり,小さな応力振幅の繰り返し回数の増加による影響はほとんど出ないことがわかった。 ・今回対象としたPost-Panamax コンテナ船のデッキロンジ部応力では,100[MPa]付近の応力振幅が最も疲労被害度に影響することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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