2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560804
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤井 義明 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70192309)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 淳一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70241411)
|
Keywords | 支笏溶結凝灰岩 / 排水等方圧密試験 / 透水係数 / 排水三軸圧縮試験 / 研磨薄片 / ひずみ硬化 / エンドキャップ / ポアの圧壊 |
Research Abstract |
支笏溶結凝灰岩の浸透率を測定しながら1~15MPaで排水等方圧密試験を実施した。一般に岩石試験では圧密は重要視されないが、この岩石は一軸圧縮強度が10~20MPa程度と小さいために、圧密変形は大きく、浸透率は時間とともに単調に減少し24時間の試験終了時にもまだ減少を続けた。また、供試体をセットしたまま圧密圧力を1→5→10→15MPaと増加した場合には、圧密圧力増加時に浸透率が増加するという特異な挙動が観察された。浸透率はもちろん圧密圧力とともに減少した。 ひずみ速度10^<-5>s^<-1>の排水三軸圧縮試験では、封圧10MPaで完全塑性、封圧15MPaでひずみ硬化挙動がみられ、最大差応力のグラフではエンドキャップ形の挙動が認められた。浸透率は単調減少を示し、破壊の影響は顕著ではない。しかし、浸透率は圧密時よりも減少量が大きく、軸ひずみにして1%程度、時間にして30分程度で、小さい値に収束した。封圧が大きいほど浸透率は小さかった。同時刻経過後の圧密試験と三軸圧縮試験における浸透率の比較から、破壊に伴い浸透率が減少したことがわかる。圧密試験後の供試体をブルーレジンに含侵して研磨薄片を作製し鏡下で観察したところ、圧密圧力が大きい場合には、大きなポアが少なく、茶色い基質が多いようにみえた。そこで、ポアについて画像解析を行ったところ、圧密圧力が大きい場合には、ポアの長軸方向やアスペクト比は変わらないものの、大きなポアが減少することにより空隙率が減少していることがわかった。 以上から、圧密応力や封圧とともに浸透率が減少した原因は、ボアの圧壊とそれに伴い生じた細粒分の目詰まりによる流路径の減少および応力増加に伴う弾性変形の増加によると思われる。連続試験における浸透率の一時的な増加は、圧密圧力増加時に生じた大きな間隙水圧や逆流により一時的に目詰まりが解消したためと思われる。
|