2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560804
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤井 義明 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70192309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 淳一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70241411)
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Keywords | 封圧 / 支笏溶結凝灰岩 / 浸透率 / 破壊 / 温度 / 圧縮 |
Research Abstract |
今年度は支笏溶結凝灰岩について、封圧1、5、10、15MPa、セ氏22度またはセ氏80度の下で、流量0.3mL/minの定流量法で浸透率を測定しながら等方圧密、引き続きひずみ速度10^<-5>s^<-1>で軸ひずみlO%までの三軸圧縮を行い以下を明らかにした。 (1)支笏溶結凝灰岩の強度は、 (2)圧密終了時の浸透率は、セ氏22度では封圧による差異はみられなかったが、セ氏80度では封圧とともに小さくなった。 (3)圧縮時の浸透率は破壊に伴い若干増加する場合もあったが、例外なくその後の圧縮に伴い減少した。 (4)試験終了時の浸透率はセ氏22度、80度ともに、封圧5MPa以上では封圧1MPaの場合よりも小さくなった。 (5)試験終了時の浸透率はセ氏22度とセ氏80度で明瞭な差が認められなかった。 従来の研究では、岩石の破壊に伴い浸透率が増加し、その後の圧縮に伴い減少することが報告されている場合が多いが、このような挙動が見られた原因は、破断面近傍の塑性変形による空隙の圧壊とそれに伴う破断面の閉鎖と思われる。このような岩石中に貯蔵空洞を掘削する場合には、EDZにおける浸透率増加を気にせずに設計可能であり、安価な施工が期待できる。 また、今回の実験条件ではセ氏22度と80度では浸透率に大差ないことが明らかとなった。セ氏80度では水の粘性率が低下するので同じ差圧があれば流量は増加することになる。これは、貯蔵空洞の設計において考慮すべき重要な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岩石破壊後の浸透率の変化とそれに対する温度・封圧の影響を明らかにできているため。
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Strategy for Future Research Activity |
来待砂岩と稲田花崗岩について室温とセ氏80度で透水係数を測定しながら三軸圧縮試験を行い、破壊後の透水挙動と封圧・温度との関係を明らかにする。 試験後の供試体の研磨薄片を作成、微視的構造を観察し、破壊後の透水挙動について考察する。 破壊後の透水挙動を明らかにし得るモデルを開発する。 得られた知見について学会等で発表する。
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