2010 Fiscal Year Annual Research Report
ASTERのDEMを用いた衛星搭載レーダの地表面エコーのシミュレーション
Project/Area Number |
22560809
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
阿波加 純 東海大学, 生物理工学部, 教授 (40232079)
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Keywords | TRMM / 降雨レーダ / デジタル高度情報 |
Research Abstract |
本研究は、ASTERの高分解能DEM(デジタル高度情報)を用いて、TRMM衛星に搭載のレーダによる地表面エコーをシミュレートし、それを通して降雨エコーと地表エコーの分離を精度よく行おうとするものである。平成22年度は、計算機環境を整備し、大量のASTERのDEMデータをダウンロードすることから研究を開始した。DEMデータのダウンロードには長時間を要したが、予定通り全陸域データのダウンロードを完了した。 ASTERのGDMはTIF形式と呼ばれるファイル形式で記録されており、それをC言語で読み出すためのプログラムを作成した。なお、TIF形式のデータの読み出し方法をマスターするのに時間を要した。 地表面エコーのシミュレーションを行う前段階の研究として、TRMM衛星のデータが存在する山岳地域を何箇所か選定し、ASTERのDEMを用いてTRMM衛星搭載降雨レーダのアンテナビーム内における標高データの頻度分布を調べ、TRMM衛星搭載降雨レーダで観測された地表面エコーのプロファイルと比較した。両者には相関が見られたものの、標高データのアンテナビーム内での頻度分布だけでは地表面エコーのプロファイルを再現できないことを確認し、シミュレーションが必要であることを確認した。 水平分解能が30mという高分解能のASTERのGDMによる地表面エコーのシミュレーションにいきなり進むのは危険なため、本年度は水平分解能が1kmのデータでシミュレーションプログラムを作成し、その動作確認と評価を行った。高分解能のASTERのGDMによる地表面エコーのシミュレーションは次年度(平成23年度)に実施することとした。
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