2011 Fiscal Year Annual Research Report
ASTERのDEMを用いた衛星搭載レーダの地表面エコーのシミュレーション
Project/Area Number |
22560809
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
阿波加 純 東海大学, 生物理工学部, 教授 (40232079)
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Keywords | TRMM / 降雨レーダ / デジタル高度情報 |
Research Abstract |
本研究は、ASTERの高分解能DEM(デジタル高度情報)を用いて、TRMM衛星に搭載のレーダによる地表面エコーをシミュレートし、それを通して降雨エコーと地表エコーの分離を精度良く行おうとするものである。 地表面エコーのシミュレーションは、TRMM衛星のデータにおいて地表面エコーの上端位置が適切に求められていない山岳地域のものをイベント的に選び出し、プロファイルと比較した。両者には相関が見られたものの、標高データのアンテナビーム内での頻度分布だけでは地表面エコーのプロファイルを再現できないことを確認し、シミュレーションが必要であることを確認した。 シミュレーションには水平分解能が30mという高分解能のASTERのDEMを直接使用することな可能であるが、高分解能ASTER DEMはデータ量が膨大であり実用的とは言えない。衛星データの解析には水平分解能が1km程度のデータセットを用いるのが都合がよい。このため、高分解能ASTER DEMから水平分解能が1kmのデータセットを作成してシミュレーションを行った。また、水平分解能が30mと1kmのデータを用いてシミュレーションをそれぞれ行った場合に、その結果はほぼ同一であることをイベント的に確認した。このシミュレーション結果は、衛星搭載降雨レーダで観測した降雨エコーと地表エコーの分離に用いることができる。 高分解能のASTERのDEMを用いて衛星搭載降雨レーダで観測した降雨エコーと地表エコーを分離する手法の開発が本研究の最終目標であるが、そのためには単なる1km格子の平均データではなく、高分解能データのヒストグラム的な情報が必要なことも判明した。この最終目標に向けた研究を最終年度である次年度(平成24年度)に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーション結果と実際のデータとを比較すると若干のずれが見られる。これは、ASTER DEMの精度に起因するか、それともシミュレーションによるかなど、ずれの原因を詳しく調べる必要がある。なお、統計的に考えた場合には特に問題は無いと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
でぎる限り多くのデータを用いて研究を進める必要がある。データ量は膨大なため、時間がかかる研究状況となっている。なお、次年度は最終年度であるため、報告書の作成を行う。
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