2011 Fiscal Year Annual Research Report
高活性ホタテ貝殻超微粒子の生成と揮発性有機蒸気吸収剤への応用
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22560812
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
空閑 良壽 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60183307)
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Keywords | 化学工学 / 再資源化 / 揮発性有機蒸気 / ホタテ貝殻 / 粉砕 / 比表面積 |
Research Abstract |
真空ライン(既設)と十字型反応セル(分光用の光学窓装着)を用いて,イソプロパノール等の揮発性有機蒸気(VOC)やホルムアルデヒドなどの環境ホルモンの正確な量の導入方法(蒸気圧とライン容積から算出)と,あらかじめセル内に装てんしたホタテ貝殻粉末(北海道常呂町産50%径20μm)に吸収されてVOC濃度が変化する過程をVOC蒸気の赤外吸収スペクトルを測定することにより定量的に把握する方法を確立した。また,吸収量が多い場合には既存の真空ラインと圧力計のシステムを用いて,吸収された蒸気量をPV(蒸気圧力)×(ライン容積)から定量的に算出する方法を確立した。 ホタテ貝殻の比表面積は微小粉砕媒体であるジルコニアボール(直径1-3mm)を用いた遊星ボールミル乾式粉砕と回収時の水添加処理により,原料粉の3m^2/gから約50m^2/gまで増大できることを実験的に見いだした。この際の粉砕後の水添加処理が粉砕生成物の比表面積の増大に大きく寄与することは新たな知見である。 本測定システムによる系統的な実験と評価から,ホタテ貝殻のVOC吸収能力は粉砕生成物の比表面積と正の相関があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VOC吸収量の定量方法は予定通りに確立し,ホタテ貝殻の比表面積を増大させる粉砕実験もおおむね順調に推移している。その結果,ホタテ貝殻粒子のVOC吸収能力は粒子の比表面積と正の相関があることが明確になってきた。当初,期待したメカニカル反応による吸収能力の増大については,今後の検討課題として残っているが,新たに粉砕後の水添加による比表面積の増大効果が見いだされ,今後の実験,検討に期待ができる。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに見いだした,粉砕後の水添加による比表面積の増大効果についてさらに実験的検討を加える。貝殻微粒子の比表面積だけではなく,表面構造や結晶性などがVOC吸収能力とどのような関係があるかその分析と評価を行い,総合的により吸収能力が高い微粒子の生成方法について検討する。
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