2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体排ガスの乾式固定化・再資源化処理技術の開発研究
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22560813
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 晋示 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30371561)
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Keywords | 半導体排ガス / フッ素 / 再資源化 / 乾式 / 気固反応 / 蛍石 / ケイフッ化ナトリウム / モノシラン |
Research Abstract |
半導体製造装置からの排出ガス(N_2,SiH_4,SiF_4,NF_3,HF)からシリコンとフッ素を乾式で分離回収して固定化し、再資源化する技術開発を行い、以下の成果を得た。 (1)ナトリウム系吸収材によるSiH_4,SiF_4の乾式吸収特性 ナトリウム系吸収材(Na_2CO_3,NaHCO_3,NaF,NaHF_2)を用いてSiH_4の破過特性を常温と120℃の条件で行った結果、いずれも15~30秒程度で破過し、SiH_4を吸収できなかった。そこで、SiH_4をNF_3とともに水蒸気加熱分解することでSiO_2とSiF_4とし、SiO_2を除去した後のSiF_4についてナトリウム系吸収材による吸収特性を調べた。その結果、ナトリウム系吸収材によるSiF_4吸収性能はHFが共存することで高くなり、温度が150℃でHFの共存下でのSiF_4の吸収容量は、NaHCO_3で0.133g/g-NaHCO_3、NaFで0.145g/g-NaFと実用上十分に高い結果が得られた。また、いずれもNa_2SiF_6として吸収されており、EPMAによる面分析の結果から吸収材の芯まで反応していることが確認できた。 (2)カルシウムおよびナトリウム吸収材によるHFの乾式吸収特性 温度150℃の条件で、粒径1~2mmと2~5mmの2種類の粒状炭酸カルシウム吸収材で、半導体排ガスに含まれる低濃度1,5,10%の3条件でのHF破過特性を解析した結果、気固反応における未反応核形成モデルの速度式で評価できることを明らかにし、各粒径に対して固定化層の設計に重要な速度定数(ガス境膜拡散係数、生成物層内拡散係数)を得た。この速度定数を用いることで高純度のフッ化カルシウムを得るまでの炭酸カルシウム層から排出されるHF量を算出できる。そして、炭酸カルシウム層から漏れ出てくるHFガスを炭酸水素ナトリウムで回収するための必要量を、そのHFガス吸収特性を調べることで評価した結果、漏れ出てくるHFと等モル量確保すれば良いことを明らかにした。 以上の成果より、半導体排ガスに含まれるシリコンとフッ素を乾式で分離・回収するための反応管の設計法を開発した。
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